プレーオフを制し、名人戦への挑戦を決めた藤井聡太竜王!史上最年少名人の記録をかけた渡辺明名人との対局の展望はいかに?
2023.3.14(火)
渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する第81期名人戦七番勝負。藤井には史上最年少名人の記録がかかっている。
第81期A級順位戦の挑戦争いは混戦になり、藤井と広瀬章人八段が7勝2敗で並び、プレーオフへともつれ込んだ。振り駒から注目された本局は藤井が先手となり、角換わり腰掛け銀を目指す。難解な戦いが続いたが、最後は正確な寄せを見せた藤井が制勝。見事A級1期目で挑戦権を獲得した。デビューからこれまでに類を見ないほどの勝ちっぷりを見せる藤井でも、プレーオフまでもつれ込んだのはA級の厳しさと言える。
名人の最年少記録は谷川浩司十七世名人が記録した21歳。ちょうど40年前、第41期名人戦のことだ。藤井が今回奪取すれば6月までに決着する見込みのため、20歳での獲得となる。なお、谷川は名人戦が初のタイトル挑戦であった。藤井はほとんどのタイトル、棋戦優勝を引っ下げて満を持しての挑戦というところは違う。藤井の順位戦はC級1組で一度足止めを喫した以外は止まらず、今期は最年少名人のラストチャンスであった。
⒞囲碁・将棋チャンネル
渡辺は第78期名人戦で初の名人奪取。実力、実績は十分ながら、それまでは不思議と名人挑戦に届かず、ついにはB級1組に降級を喫するほどであった。しかし降級後は復活を遂げ、B級1組、A級をともに全勝で駆け抜けて名人に初挑戦すると、豊島将之名人(当時)との七番勝負を4勝2敗で制した。その後は斎藤慎太郎八段の挑戦を2年連続4勝1敗で退けて、現在は3連覇中だ。名人は通算5期獲得で永世称号の資格を得ることができるが、ここに来て最強の挑戦者を迎えることとなった。
過去の対戦成績は藤井から見て15勝3敗(名人挑戦を決めた3月8日時点)。対戦成績こそかなり偏っているが、内容そのものはどちらが勝ってもおかしくない熱戦が多い。戦型は角換わりと相掛かりが中心になることが予想される。渡辺にとっては厳しい戦いになるが、もちろん本人はそれを承知の上で、徹底的に藤井対策を練り上げてくることだろう。現在は両者の間で棋王戦五番勝負も進行中だが、ここも藤井が勝つようだといよいよ八冠制覇が見えてくる。
七番勝負の開幕は4月5、6日。二日制での対戦は前期の王将戦七番勝負以来(藤井が4連勝で奪取)二度目となる。名人戦は持ち時間が最長の9時間で、もちろん藤井にとっては初めてであるが、長考派で二日制も多く経験しており、とまどうことはないだろう。40年前の鮮烈な記録を令和の天才棋士が更新するか、注目のシリーズだ。
文=渡部壮大
放送情報
将棋熱戦 徹底解説 第71期 ALSOK杯王将戦 第2局 渡辺 明王将 vs 藤井聡太竜王
放送日時:3月19日(日)12:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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