連続猟奇殺人事件に挑む刑事役・木村文乃の演技に息を飲む!「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」
2023.3.12(日)
2019年に放送された「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」は、麻見和史の小説を原作とした「殺人分析班」シリーズの第3弾。2015年に第1弾「石の繭」、2016年に第2弾「水晶の鼓動」が放送され好評を博し、スピンオフ作品まで制作された大ヒットクライムサスペンスだ。
主人公の如月塔子を演じるのは、CM出演がきっかけでブレイクした女優・木村文乃。ブレイクした後はドラマ「ボク、運命の人です。」や映画「ザ・ファブル」などの話題作に次々出演し、実力派女優として存在感を示し続けている。
ロングヘアを縛り、熱意に溢れる活発な女性といったイメージを持つ木村演じる塔子だが、本作はこれまでと違い、バッサリと髪を切ったショートカットで登場する。実は本作は、塔子の相棒で頼れる先輩刑事・鷹野秀昭(青木崇高)が公安部に異動する直前の事件という設定となっている。そんなドラマ内の環境の変化が髪を短くした理由と考えられる。
同時に、シリーズ第1弾で新人刑事だった塔子が時を経て、鷹野の後を継ぐ捜査一課のエースとして成長する姿も本作の見所となっている。
©2019 WOWOW / TBSスパークル
今回の事件は、不動産会社の代表取締役を務める資産家・天野秀雄の惨殺遺体が自宅で発見されたことから始まる。遺体の喉は切り裂かれ、傷口に4本の青い花が活けられていた。4本の花は何を意味するのか、犯人からのメッセージなのか。多くの謎を孕んだ遺体に続き、「クラスター16」と名乗る犯人から次々とメールが届き、事件は連続猟奇殺人事件へと発展していく。
警察をあざ笑うかのように事件を肥大化させていくクラスター16に翻弄されながらも、諦めることなく捜査を続ける塔子たち。そこではやはり、真剣に事件と向き合う塔子を演じる木村の演技力が光る。
情報を共有し合う捜査会議で、調査結果と自らの筋読みを述べる姿には、凛として揺るぎない存在感がある。行方不明となっている天野の妻・真弓を建物内で捜索している時、何かが潜んでいそうなカーテンを開ける前の恐怖が入り混じった表情と息遣いは、見ていて息を飲むほどだ。
また、関係者の身柄確保のために突入班を指揮するシーンでは、不安と緊張が高まり、固くなっている様子が感じ取れる。そういったさまざまなシーンで、塔子の事件を解決したいという思い、刑事としてのプライド、鷹野の後を継ぐ重圧と戦っている様子が伝わってくる。
そしてすべてを乗り越えて辿り着いたラストシーンで、塔子は刑事としての覚悟を強い口調と言葉、また木村の魅力でもある大きな瞳で強烈な目力をもって体現する。その時の木村は、身も心も捜査一課のエースに成長した如月塔子になりきっている、そう言っても過言ではない印象的なシーンとなっている。
タイトルにもなっている「蝶の力学」、バタフライ効果とは、ブラジルで小さな蝶が羽ばたくと、やがてテキサスで大きな竜巻が起こる、つまり「ある小さな変化が引き金となって、最終的に驚くような結果をもたらす」ことを意味する言葉だ。
この事件で最初に羽ばたいたのは誰か、それがどう連鎖し、拡大し、どんな結末をもたらしたのか。意表を突く展開が連続するストーリーと、塔子が成長していく姿をじっくり味わいながら、本作を楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班 一挙放送
放送日時:2023年3月26日(日)20:25~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
-

Stray Kids、ENHYPENの涙の初受賞も...追悼ムード一色の「MAMA」に連帯感をもたらしたパク・ボゴムやチョウ・ユンファらの言動に滲む、誠実な人間性
提供元:HOMINIS12/6(土) -

豊川悦司が放つ、妖艶さと不気味さ...内に秘める"悪"の表現が秀逸な「松本清張サスペンス わるいやつら」
提供元:HOMINIS12/6(土) -

「ばけばけ」のタエ役でも脚光を浴びる北川景子、親としてのリアルを投影した「ナイトフラワー」での家族を思う壮絶な母親像
提供元:HOMINIS12/6(土) -

沢口靖子が見せる笑顔と切ない横顔のギャップ...同僚として見守る、寺脇康文の優しさにじむ演技も必見「夏樹静子サスペンス 喪失-ある殺意のゆくえ-」
提供元:HOMINIS12/5(金) -

凛々しく優秀な刑事が吉田羊のハマり役!世界的人気サスペンスシリーズの日本版「連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~」
提供元:HOMINIS12/4(木)

