イオンリテール、AI端末「スマイルくん」で従業員の笑顔とあいさつの実施率向上に成功
2024.10.20(日)
イオンリテール(千葉市)は、全国約240店舗の「イオン」「イオンスタイル」に、従業員の接客教育を目的としたAI端末「スマイルくん」を導入した。これは、笑顔とあいさつの質向上を通じて、顧客満足度の最大化を目指すものだ。
スマイルくんは、InstaVRが提供する笑顔・発声トレーニングAI端末で、達成具合に応じて点数が付けられ、ランクが上がる仕組みだ。イオンリテールによれば、「店舗で従業員の笑顔・発声の教育に導入する取り組みは世界初」とのこと。
導入の背景には、リアル店舗における接客応対の課題があった。従来の教育方法では、笑顔・発声の基準が人によって異なり、十分な成果が得られていなかった。
そこで2023年7月から、8店舗約3400人の従業員を対象に実証実験を実施。その結果、従業員から利用客への笑顔とあいさつの実施率が、導入前と比べて約1.6倍に向上したという。
この成功を受け、イオンリテールはスマイルくんの導入を新入社員配属店舗を中心に240店舗へと拡大。さらなる接客応対とサービスの質の向上を目指している。
商品管理や価格設定にもAI技術を導入
イオンリテールのAI活用は、接客教育にとどまらない。同社は、商品管理や価格設定においてもAI技術を積極的に導入している。
その一例が、日本IBMと共同開発した「AIカカク」だ。このシステムは、過去の販売データに基づいてAIが適切な値引き率を提示するもので、すでに惣菜部門と日配品の一部で実装されている。2024年5月には、その適用範囲を畜産部門と水産部門にまで拡大。「AIカカク」の導入により、ロス率が1割以上低減し、値引きや売り切り業務に関わる時間も大幅に削減されている。
さらに、イオンリテールは独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」も導入している。このシステムは、AIによる客数予測や過去の販売実績、曜日、価格、気温、プロモーションなどの要因を機械学習させることで、既存システムと比べ最大40%の精度向上を実現。発注時間の平均5割削減や在庫の3割削減といった成果をあげている。
イオンリテールは今後も、店舗データのデジタル化や需要予測の高度化を進め、サプライチェーン全体のデジタルトランスフォーメーションを推進していく方針だ。
【関連リンク】
・イオンリテール、従業員の笑顔トレーニングにエッジAI端末を導入。その効果は?(TECH+)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240702-2977608/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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