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永山瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛が織りなす複雑な人間関係の進展が気になるドラマ「最高の離婚」

2025.3.29(土)

30代の男女の価値観や結婚観のすれ違いをコミカルかつリアルに描き、登場人物の台詞やキャラクターに共感する人が続出したのが永山瑛太主演の「最高の離婚」(2013年)だ。脚本を手掛けたのは、「カルテット」や「大豆田とわ子と三人の元夫」など、数々のヒット作を送り出し、「怪物」(2023年)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した坂元裕二。

それぞれの問題を抱える2組のカップルを演じる永山瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛
それぞれの問題を抱える2組のカップルを演じる永山瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛

メインキャストは永山瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛の4人で、ブレイク直前の窪田正孝もいい味を出している。二組のカップルの冴えた会話のキャッチボールが楽しめる本作で永山が演じているのはちょっと偏屈な会社員の濱崎光生。几帳面で理屈っぽくカフェを経営する祖母の亜以子(八千草薫)からも「面倒くさい」と言われている。

対照的に2年前に結婚した妻、結夏(尾野)は明るく細かいことは気にしない性格。そんな妻の大雑把さにイライラしている光生は通っている歯医者でも愚痴ばかり。結婚は3D (打算、妥協、惰性)だと定義づけている。結夏に動物にしか笑顔を見せないと言われている光生はついに離婚を突きつけられるが、ある日、近所に住んでいた元カノ・上原灯里(真木)と再会。しかし、灯里の夫だという男性が結夏が経営するクリーニング店に口紅つきのシャツを持ってきた諒(綾野)だと知った光生は、自分たちの問題を棚にあげて、二人の関係に要らぬお節介を焼くようになる。

■「ツラい」が口癖の拗らせ主人公が永山にハマる!

光生はプロレスの話題で盛り上がる亜以子と結夏を小馬鹿にし、結夏に好きな競馬の話を持ち出されると「競馬は英国紳士のスポーツですから」と返す"ああ言えばこう言う性格"だ。口癖は「ツラい」。亜以子に「よくこんな面倒くさい孫と結婚してくれたわね」と感謝されているため、二人は離婚届を出した後も本当のことを言えないでいる。空気が読めない空回り体質な光生は灯里に一緒に住んでいた頃の思い出を事細かに話して、ドン引きされたり、カフェでモテモテの諒を見て絡んだ挙句に店でぎっくり腰が再発し、諒に家まで送ってもらうことになったりと、うまくいかない。互いに干渉しない灯里と諒のことが気になるあまり、質問攻めにし、ついには妻のみならず、元カノにも強烈なダメ出しを食らい、円形脱毛症になる。のちに4人はなぜか温泉旅行に行くことになるのだが、露天風呂で泳ぐ諒に「自由人だって言われませんか?」と問いかけ、自分を「絶望人」と言うなど自虐的なのも可笑しく、どこか憎めない拗らせキャラを永山が台詞のみならず、表情や動きなどで微に入り細に入り表現している。

■恋愛、結婚を考える人たちの共感を呼んだ名台詞が盛りだくさん

離婚届を出したのに同居している光生と結夏、そして婚姻届を出しそびれてフラフラしている諒と浮気に気づかないフリをしている灯里。お騒がせの光生により、二組のカップルの関係性も荒れ模様になる中、女性陣の本音も明らかになっていく。普通の家族になりたかったという結夏は光生にその概念を聞かれ、「いちばん最初に思い出す人だよ!」と感情をぶつけ、灯里も「負けてる方は正しいことしか言えなくなるんだよ!」と愛するゆえに諒に我慢していた想いを爆発させる。この4人の関係性がどうなっていくのか、終盤までわからない本作。のちに北川景子と共演したドラマ「リコカツ」で、自衛官の堅物男を演じた永山のユーモラスで人間味あふれる演技が冴える傑作ドラマだ。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

最高の離婚
放送日時:4月21日(月) 12:10~
放送チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります