ラース・ミケルセンが弟のマッツ・ミケルセンの幻の出世作「UNIT ONE」で兄弟対決！ラースの魅力にも注目

2025.3.19(水)

ポップカルチャーの祭典「大阪コミックコンベンション2023」から日本開催のコミックコンベンションに4連続で全日程参加し、2025年春に幕張メッセで行われる「スター・ウォーズ セレブレーション」にも参加が予定されており、日本のファンをますます夢中にさせてくれる"北欧の至宝"ことマッツ・ミケルセン。

アメリカNBCのドラマ「ハンニバル」シリーズ(2013年)で、狂気の人喰い殺人鬼でありながらも誰もが抗えない妖艶な色気を持つハンニバル・レクター博士や、冷酷で知的な「007 カジノ・ロワイヤル」(2006年)のル・シッフル、ミステリアスな存在感の「ドクター・ストレンジ」(2016年)のカエシリウス、威厳と危険な色気のある「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」(2022年)のグリンデルバルドなどの魅力的なヴィラン達を演じてきたマッツだが、情熱的な肉体派捜査官を演じた作品がある...「UNIT ONE-特別機動捜査班-」シリーズだ。

マッツの母国であるデンマークで2000年に放送が始まり、若き日のマッツの出世作となった本作は、デンマーク各地を飛び回り、殺人や誘拐などの数々の事件を捜査する警察の精鋭チーム"特別機動捜査班〈Unit One〉"の活躍を描いたクライムドラマ。2002年まで実在したデンマーク警察のチームがモデルになっており、各話で描かれる事件は制作当時の過去10年以内に実際にデンマークで起きた事件に基づいている。

特別機動捜査班のリーダーであるトーベンが知人のヘニングと共に自宅で殺害され、暫定的な後任に抜擢されたイングリッド(シャロッテ・フィック)は、情熱的な肉体派・フィッシャー(マッツ・ミケルセン)や、観察眼に優れた頭脳派・ラクーア(ラース・ブリグマン)、そして人情派のベテラン捜査官・IP(ヴォーウ・サネ)といった、それぞれの得意分野で卓越した才能を見せる精鋭たちと力を合わせ、事件を解決していく――。

当時30代のマッツが演じるフィッシャーは、義侠にかられて行動を起こしてしまう性格で、声を荒げたり、衝動的に暴力をふるってしまったりする一面もあり、現在のマッツからイメージされる紳士な姿とは違う魅力のあるキャラクターだ。

特にオススメしたいのが、可愛らしい坊主頭のマッツが見られるシーズン3から、第5話と第6話の「オーフス」の前・後編だ。マッツの兄であるラース・ミケルセンが出演し、ファンには堪らない夢の兄弟共演を果たしている。

ラースも、映画やドラマで幅広く活躍しており、ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」のシーズン3(2014年)の最終話では、チャールズ・オーガスタス・マグヌセン役、Netflixシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(2015年)では、ロシア大統領ヴィクトル・ペトロフ役を演じるなど、冷酷な知略家のキャラクターが多い。

本作でラースが演じるイーヴァンは、落ち着いた雰囲気が魅力的な謎めいた男で、目標達成のため冷静に計画を進めていく。事件の容疑者として浮上するも、完璧なアリバイを持っているため、特別機動捜査班はイーヴァン逮捕に向けて証拠を集め追い詰めていく...。

第6話の取調室でイーヴァンを尋問するシーンでは、仲良しのミケルセン兄弟からは想像ができないシリアスな空気感のマッツVSラースの兄弟対決が堪能できるのでもちろん必見であるが、愛する人を失ったラースが落涙するシーンにも是非注目してほしい。北欧の至宝の兄の涙する姿も美しく思わず息をのむほどだ。

事件の真相を最後まで追い続けるチームの活躍、そして現在とは違った魅力の若かりしマッツを存分に堪能できる「UNIT ONE-特別機動捜査班-」を、今一度お楽しみ頂きたい。

文＝草光由美

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