若かりし北大路欣也が現代劇初主演!軍人の青春を描く映画「海軍」
2025.3.19(水)
言わずと知れた名優・北大路欣也の現代劇初主演作品というだけで大きな興味がそそられる。
それが、3月23日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される、1963年公開の映画「海軍」だ。主人公の谷真人(北大路欣也)と牟田口隆夫(千葉真一)、そして隆夫の妹であるエダ(三田佳子)を中心に物語は展開する。

真人の親友である隆夫は軍人志望で、兵学校を目指している。そんな隆夫に感化されるように真人も兵学校入学を志すが、当の隆夫は身体検査で視力に問題があるとのことで入学できなくなってしまう。その結果、真人のみが兵学校に入学し軍人となり、夢破れた隆夫は絵描きという新たな才能を見出していくのであった。
「海軍」というタイトルや兵学校入学など、戦争と非常に距離が近い映画だが、実際の印象は大きく異なる。戦争そのものではなく、戦争と対峙していく親友同士の関係性、そして恋模様が丁寧に紡がれており、青春群像劇といっても差し支えない。
その中でまばゆい輝きを放っているのが北大路だ。現在は82歳という年齢や、放っている風格・オーラなどもあり、それに即した役柄の印象が強い。言い換えれば彼にしかできない役を重ねていっている。
しかし、当時は20代だったこともあり、キリッとしたどこにでもいそうな好青年である真人をピタリと演じている。鋭いツリ目と眼光は今の北大路にも通ずるが、声色は全くの別物。序盤は若者らしい"軽さ"を真人から感じる一方、軍人となり徐々に顔つきや表情も精悍なものになっていくのが非常に印象的だった。
真人の対比とも言えるのが隆夫。はじめは軍人を志していたが、視力や体格の問題で諦めざるを得なくなる。その結果として絵描きへの道を歩むのだが、内外の変化も鮮やかだった。無骨に見えた男から黒縁メガネをかけて優男風に変わっていくと、話し方もなんだか柔和となり、現代にいてもおかしくないような男子に。終盤に真人と再会するのだが、運命が交差して違う未来を歩んだ2人の邂逅はなんとも言えない複雑な感情を抱かせる。
また、彼らに加えて彩りを加えたのが隆夫の妹であるエダ。彼女は真人に恋心を抱き、最後まで想いを貫く。この時代にあってその健気さはともすれば悲壮感にも変わりうるが、彼女が画面に出てくるとぱっと明るくなるように感じられるのだ。それはもちろん、軽妙なBGMにも起因するのだが、演じる三田佳子のいじらしい表情や声も影響しているのだろう。最終的には悲恋と見ることもできるのだが、決して取り乱すことなく彼女の人間としての強さも魅力的だった。

同作品は改めて戦争というものの不条理さや残酷さを感じられる一方、その中で普通に生活を送っている人たちがいたのだということも教えてくれる。当時の日本国民は「戦争バンザイ」ともろ手を挙げていたことも伝えられるが、実際には普通の感覚として身近な人が死ぬ可能性があったことを嘆く人もいたはずなのだ。
その点で真人と隆夫の家族は、当時としては他と少し感覚がズレていたのかも知れないが、平和な現在から見ればとても共感できる。とりわけ隆夫の父(加藤嘉)は息子の友人である真人を大事にし、息子にもやりたいようにやらせる理想的な父親だったのではないだろうか。
結末は切なく当然戦争を肯定することはできないが、一人の若き青年の青春としてさわやかな空気も感じられる。それも北大路欣也と千葉真一からほとばしる若さゆえなのかもしれない。若かりし彼らのエネルギーをぜひ感じてほしい。
文=まっつ
放送情報【スカパー!】
海軍
放送日時:2025年3月23日(日) 8:00~ ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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