ニュース王国

原田知世×上白石萌音、笑福亭鶴瓶&重岡大毅の共通点を語る「35年目のラブレター」インタビュー

2025.3.6(木)

映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世(右)と上白石萌音(左)
映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世(右)と上白石萌音(左)

実話をもとにした映画「35年目のラブレター」が3月7日(金)に公開される。

過酷な幼少時代を過ごしてきたゆえに、読み書きができないまま大人になった主人公・西畑保。彼は定年退職を機に、長年寄り添ってくれた妻・皎子(きょうこ)へラブレターを書く決意をする。65歳を超えて夜間中学に通い、イチから文字を学んでいくが...。

今回は、結婚35年を迎えた現代の皎子を演じた原田知世と、保と出会った若かりし頃の皎子を演じた上白石萌音にインタビューを実施。本作のことはもちろん、保役の笑福亭鶴瓶と重岡大毅(WEST.)の印象についても聞いた。

――保さんと皎子さんの紡ぐ愛のかたちについて、どんな印象を持たれましたか?

原田「これまで皎子さんは、もはや母のような大きな愛で保さんを支え続けてきたと思いますし、人の幸せを心から喜べる彼女は、西畑家で太陽のような存在であったとも思うんです。

共に人生を重ねてきたお二人の姿に、なかなかない尊い愛のかたちを見せていただいたのと同時に、『感謝の気持ちを忘れないこと』の素晴らしさも教えていただきました。改めて奇跡のような出会いだったんだなと思いますね」

上白石「『出会ったときからそうだった』というよりは、日々を積み重ねて、お互いを知っていくうちにより絆が深くなっていったのかなと思います。

向いてる矢印が同じ太さで、同じだけ相手のことを必要としていて、『この人のために生きよう』と強く思い合っている。そこが等しくなることって、すごく貴重なことなんだろうなと思いますし、作品を観ているだけでも、心がとても温かくなりました」

現代の皎子を演じた原田知世(右)と、若かりし頃の皎子を演じた上白石萌音(左)
現代の皎子を演じた原田知世(右)と、若かりし頃の皎子を演じた上白石萌音(左)
映画「35年目のラブレター」に出演する上白石萌音
映画「35年目のラブレター」に出演する上白石萌音

――名場面が多いのも本作品の魅力だと思います。特に心に残ったシーンを教えていただけますか?

原田「すべてが印象に残っていますが、冒頭の朝のシーンは、二人の関係性がよく分かる場面だと思います。あのシーンって二人にとって日常なんだけど、とても伝わるものがありましたよね。

雨の日も風の日も雪の日も、保さんが仕事に向かうのを見送ってきたのだと思うと、"温かいひととき"を見せてもらった気がするなって。何気ないけど好きなシーンですね」

上白石「私も本当に選べないのですが、保さんと皎子さんが旅館でお食事をしているシーンは、好きな場面のひとつです。

あのときの二人ってもう夫婦になって長いのに恋人同士みたいだし、お互いのことが好きで、新鮮に愛しあっている分、初々しさも感じて、すごくキュンキュンしました」

原田「そうだよね」

上白石「ちょっと不思議な言い方ですが、結婚する前の保さんと皎子さんの時代も見ているような感じがしたんです。夫婦になって何十年経っても『デート』をするお二人...という意味で、すごく心に残っています」

原田「あのシーンは過去に触れるやりとりもあるんです。ちゃんと考えられている素晴らしい台本だと思いましたね」

――おそらくご覧になる方で好きな場面がまた違うような気がします

原田「そうですね。3年後に見たらまた違う見え方になるだろうし、ずっと見ていきたい作品ですね」

映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世
映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世
映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世
映画「35年目のラブレター」に出演する原田知世

――原田さんは、鶴瓶さんとご一緒してみてどんな印象を持たれましたか?

原田「今回ご一緒するのがとても楽しみで嬉しかったのですが、今このタイミングでこの作品に出会えたことは、『私にとってご褒美のようなものだな』と思ったんです。きっと鶴瓶さんにとっては普通のことなんですが、誰に対しても親しみを持って接してくれる方なので、初日からスッと寄り添えましたし、保さん役が鶴瓶さんだったからこそ、私の皎子さんが生まれたのだと思います。

撮影期間は短かったですが、長らく一緒に人生を過ごしてきた感覚になれた分、その時間が愛おしかったですね。そう思えるのは、鶴瓶さんの魅力じゃないですかね」

――鶴瓶さんだからこそ、あの西畑夫妻の関係性が構築できたんですね

原田「今回は、セリフが関西弁ということもあったので、間違いないように音は覚えましたが、あとは何も考えず、ただただ隣に鶴瓶さんがいること、そして保さんを見つめることが皎子さんを演じるうえでは大事なことだと思っていました。いろいろ委ねながら、現場のなかで感じたことを表現していきましたね」

――上白石さんは重岡さんについてどんなことを思われましたか?

上白石「今、原田さんがおっしゃったことをすべてコピペしてほしいくらいそのままで...深く頷きながら聞いていました(笑)」

原田「(笑)」

上白石「本当に愛嬌があって、人に好かれるし、ご自身も人のことが大好きな方。すごく素敵だなと思ったのは、自分を含め、みんなが頑張りやすい環境を作ってくれることです。現場で『誰も緊張させないように』とか、『集中したいときは集中しやすいように』といった空気に持っていってくれるのですが、それをごく自然にやられるんですよ。

そこは人としての器の大きさ、頼りがいを感じましたし、隣にいるだけで、自然と『この人のためにできることはないだろうか』と思えました。ただただ重岡さんを見て感じていた部分は、原田さんとも共通しています」

原田「面白いね」

――アイドルとして、WEST.の一員として、多くの人から愛される理由も分かったんですね

上白石「そうですね。人としての天性の魅力もそうですし、努力をして身につけられたものもあるだろうし、考えて人と接している部分もあって...。感性もアンテナもすごいので、もう『役にピッタリだな』と感じました。あと、お人柄や人望の面でも『きっと鶴瓶さんみたいになるだろうな』とも思いました」

原田「二人って、本当にみんなから愛されるし、笑顔が素敵な人。全然キャラクターは違うようで、すごく共通してると思うんです」

上白石「確かに。特に笑顔のお二人とお会いしたら嬉しい気持ちになりますよね。徳が高い(笑)」

原田「そうだね。笑顔で人を幸せにできる人って、なかなかいないと思います」

映画「35年目のラブレター」に出演する上白石萌音
映画「35年目のラブレター」に出演する上白石萌音

取材・文=浜瀬将樹 写真=内田大介

映画情報

映画「35年目のラブレター」
公開日:3月7日(金)
監督・脚本:塚本連平
出演者:笑福亭鶴瓶、原田知世、重岡大毅、上白石萌音ほか

(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会