ブルース・ウィリスがやれやれ顔でまたも躍動!聖夜に孤軍奮闘する映画「ダイ・ハード2」
2025.3.3(月)

今年の3月19日(水)に70歳を迎えるブルース・ウィリス。彼の代表作の1つに「ダイ・ハード」シリーズがある。シリーズものの続編は失敗するという言い伝えを真っ向から覆したのが「ダイ・ハード2」だ。
本作は、前作で描かれたナカトミビルのテロ事件からちょうど1年後のクリスマスが舞台。ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は英雄として有名となった世界で再び事件に巻き込まれることとなる。
事件が起きる場所はワシントンのダレス空港。元アメリカ陸軍特殊部隊のスチュアート大佐(ウィリアム・サドラー)がバル・ベルデの麻薬王エスペランザ将軍(フランコ・ネロ)の奪還を目的とし、空港の管制システムを乗っ取ってしまう。悪天候も重なって上空にいる航空機も人質となってしまい、たまたま飛行機に乗っていたマクレーンの妻ホリー(ボニー・ベデリア)も命の危険にさらされてしまうのだった。

(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
序盤から次々と苦難に襲われるマクレーンを見ていて思うのは"敵"が多いということ。単純な悪党だけではなく、マクレーンの言うことをなかなか聞かないカーマイン・ロレンゾ署長(デニス・フランツ)を筆頭に、主人公の足を引っ張る存在が続々と現れる。1年前のヒーローなのだからもう少し周りに助けられてもいいと思うのだが、彼の多少雑な振る舞いや、あまりに有名人となってしまった影響などもあるのだろうか。やっかみなどでなかなか思うように動けない序盤のマクレーンはリアルな労働現場を見ているような気にもなる。
その中でもちろん、ブルース・ウィリスの芝居もいい味を出している。孤軍奮闘で懸命に動きながらも、結局ウィンザー114便は偽の指示を受けたことで地表に激突。200人あまりの乗客が犠牲となり、さすがのマクレーンも狼狽する。目の前で命が失われていく様子を目撃した人間としてリアルな反応を見せるウィリス。「確かにそうなるよな」と共感できるからこそ、また次に向かって動き出すマクレーンに感心し応援したくなる。
マクレーンと打ち解けて一時は頼れる仲間だと思われていた陸軍の隊長であるグラント(ジョン・エイモス)が実はテロリスト側と内通していた敵だったことが明らかとなる。伏線を感じさせない"裏切り"はあっぱれで、視聴者として見ていても思わずあっと言わされる。同時に、マクレーンがそれを伝えることでようやくロレンゾ署長が協力するようになるという舞台装置としても重要な意味を持っている。
最後、すでに血まみれのマクレーンが戦う舞台となったのが貨物機の主翼。ヘリコプターが至近距離まで接近してなんとか降り立ち、不安定な場所で戦う姿はヒヤヒヤドキドキだ。スチュアートの前に格闘では敗れながら、マクレーンは翼の燃料バルブを開いたことで勝負あり。ライターで点火させて見事に悪党たちを退治する。

(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
犠牲になったウィンザー114便のかたきを討つように敵を爆死させ、さらに残り火が着陸誘導灯の代わりとなって、航空機が無事に着陸できるようになるという流れも鮮やか。機内ではホリーがスタンガンを使用するなど、随所で"伏線回収"が光り、結末に向けてどんどんとスッキリ感でいっぱいになる。序盤に駐車違反を犯していたマクレーンに対し、天敵だったロレンゾが「クリスマスだから」と取り消すラストは秀逸かつ美しい。
最初は孤立無援ながら、徐々に周囲の力を借りてマクレーンが事件を解決するという流れは前作を踏襲しながらも、全く飽きることなく124分間を駆け抜けられる構成はさすが名作。「クリスマスなのに」とやれやれ顔で奮闘し続けるウィリスもやはり癖になってしまう。シリーズ作品としてはまだまだ続くわけだが、やはりジョン・マクレーンとブルース・ウィリスはずっと見ていたくなるほどまばゆい光を放っていた。
文=まっつ
放送情報【スカパー!】
ダイ・ハード2
放送日時:2025年3月3日(月) 15:30~、3月19日(水) 15:30~ほか
チャンネル:ザ・シネマ
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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