のんが笑顔全開でさかなクンの半生を体当たり!柳楽優弥、磯村勇斗、岡山天音演じるツッパリ軍団も臆さない純粋無垢な主人公を好演する「さかなのこ」
2025.2.28(金)
魚類の研究者であり、ハコフグの帽子と「ギョギョギョ!」のフレーズでおなじみのタレントさかなクンの自伝的エッセイにフィクションを織り混ぜ、のん主演で映画化したのが「さかなのこ」だ。メガホンをとったのは映画「南極料理人」(2009年)、映画「横道世之介」(2013年)などの沖田修一。
のんが演じているのは魚が好きでたまらないミー坊。勉強そっちのけで、小学校の頃からノートにタコの絵を描き、魚をさんづけするミー坊をクラスのヒヨたちはからかい、友達のモモコはけげんな顔をするが当人はどこ吹く風。そんなミー坊の幼少時代から、学校を卒業して働くようになるまでが描かれるのが本作だ。
後に"狂犬"と呼ばれる不良になるヒヨ役は柳楽優弥。大人になって再会するモモコを夏帆が演じ、ミー坊の高校時代の不良の総長を磯村勇斗が、敵対する高校の"カミソリ籾"を岡山天音が演じ、キャストにもワクワクさせられる。お魚に夢中な我が子を愛いっぱいに肯定してくれた母(井川遥)や夢を持つキッカケになったギョギョおじさん(さかなクン)との出会いもあり、すくすく育つ主人公をのんが自由に生き生きと好演。
当初は"さかなクン"役を演じることに不安があったというが、監督の「男か女かどっちでもいい」という言葉(本作のオープニングにも登場)に背中を押されたという。ストーリーが進むにつれて、さかなクンの半生とのんがシンクロしていく演技に癒され、のんだからこそ演じられる役だと思わせられる。
■ツッパリ軍団に怯むどころかビビらせるのんの突き抜けた演技
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
川で釣りをしている時に総長(磯村)たちに絡まれてもあっけらかんと「今度、釣りに行こうよ」と笑顔で返すミー坊。総長はある日、漁師の祖父に頼まれてカブトガニのつがいを学校に持ってくるが、先生に飼育を頼まれたミー坊がカブトガニを散歩させたいと海に行ったことで、ハプニングが続出する。ミー坊は総長がアジを釣ったことで、手下にナイフを貸せと強要。その場でさばき、エグいとドン引きする一同に刺身を食べさせる。そこに他校の地元ツッパリ軍団が因縁をつけてきたことによって、ミー坊は太めの鎖をつけてイキっているヒヨ(柳楽)と再会。バチバチの事態となるが、海中にアオリイカを発見したことにより、今度はカミソリ籾(岡山)がミー坊の犠牲になる。ナイフを出されても顔色ひとつ変えず、変わり果てたヒヨとの再会にも笑顔全開、身体中でうれしさを表現する"のん"の演技が突き抜けている。
■大人になって失敗しても自分軸で生きる主人公が愛おしくなる
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
学校を卒業して水族館やお寿司屋で働くものの、仕事より好奇心が勝ってしまうミー坊はうまくいかない現実に悩んだりもする。だが、新しい出会いや学生時代の仲間たちとの再会が、変わらないミー坊とその夢をいつしか前に進めていく。
俳優、監督、ミュージシャン、リボンアートなど、幅広く活動している創作アーティスト、のんとしての顔が垣間見えるのがお店の改装を頼まれて、壁を海の青で塗りつぶし、ペンキにまみれながら口をパカンと開けて作品に集中するシーンだ。さかなクンのみならず、ミー坊と本人の境界線まで消滅する感覚を覚えるのも、自分を解き放つことを知っているのんの感性の豊かさゆえ。その魅力をたっぷり味わえるハートウォーミングな映画に仕上がっている。
文=山本弘子
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