阿部寛のニヒルで頼りのあるイメージとは正反対の頼りなく情けない主人公を好演!コミカルな演技が光る「疾風ロンド」
2025.2.28(金)
東野圭吾が2013年に発表した大ヒット小説を2016年に阿部寛主演で実写化した「疾風ロンド」。
医科学研究所から新型炭疽菌「K-55」が盗まれ、所長の東郷(柄本明)のもとに「K-55」を埋めた場所の目印というテディベアの写真と「三億円を用意しろ」という脅迫メールが届く。犯人は研究所を解雇された葛原(戸次重幸)だと分かるが、交通事故に遭い死亡。テディベアに埋め込まれた発信機の電源が4日しか持たないと知り、主任研究員・栗林(阿部寛)は「K-55」の回収のためスキー場を捜索始める。しかし、その場には「K-55」を狙う人物が現れる。
スキー場を舞台に二転三転もする予想もつかないタイムリミット・サスペンスはもちろんのこと、どこかユーモラスな人間模様も垣間見られる本作。消えた「K-55」の行方はもちろんのこと、怪しい人物たちとのスキーでの追いかけっこや親子の交流、中学生の淡い初恋などこれでもかと見どころが詰まっている。
東野圭吾と阿部寛の組み合わせといえば、連続ドラマでスタートし、スペシャルドラマ、2度の映画化もされた「新参者」シリーズを思い浮かぶ人も多いが、その路線とは違ったコメディーの要素が色濃く出ているのが本作。「TRICK」シリーズや「テルマエ・ロマエ」シリーズといったコメディー作品でも唯一無二の存在感を発揮している阿部寛が、頼りなくて抜けている研究員・栗林をコミカルに演じている。
登場からしてもワックスのかかった廊下で転んだりと、何とも情けない姿を見せる栗林。雪山では顔以外すっぽりと埋まってしまい身動きが取れなくなったりと、これまでのニヒルで頼りになる阿部寛はここにはいない。その代わり、親として中学生の息子との接し方で悩んだり、出世のために所長の無茶な命令に怒りながらも従ったりとダメな中年男性がここにいる。これまでとはまた違った阿部寛を堪能できるのだ。
(C)2016「疾風ロンド」製作委員会
そしてこの作品の最大の見どころは豪華出演者。ケガをした栗林の代わりにテディベアを探すスキー場のパトロール隊・根津を大倉忠義、根津と共にするスノーボードクロス選手の千晶を大島優子が演じる。スキーやスノーボードを颯爽と滑る姿を披露し、その腕前は圧巻。また2人の恋模様もさわやかで魅力的だ。
(C)2016「疾風ロンド」製作委員会
根津や千晶に追っかけられる怪しい人物を演じるのはムロツヨシ。コメディー作品で圧倒的な存在感を放つ彼が本作でも自由な演技を見せて笑わせる。そのほかにも栗林の息子・秀人を濱田龍臣、彼が恋する少女・育美を久保田紗友、彼女の同級生の高野を望月歩、高野の兄を志尊淳が演じるなど、ドラマや映画に欠かせない俳優がこれでもかと登場。フレッシュな演技を披露しているのも見逃せない。
そして忘れてはいけないのは、子どもみたいに駄々をこねるやりたい放題の所長を演じる柄本明やスキーショップの店主を演じたでんでん、バス駐車場の係員役の田中要次などのベテラン勢。ピンポイントで登場するが忘れられない濃い演技を見せつけてくる。
ミステリー要素はもちろんのこといろんな要素がこれでもかと詰まった本作。あまりミステリーと構えずに、終始困り顔を見せている阿部寛を楽しんでみてはいかがだろうか。
文=玉置晴子
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