大石静脚本&吉高由里子の妙が光る「星降る夜に」...「光る君へ」終了後の今、改めて見直したい令和らしさの詰まった年の差ロマンス
2025.2.10(月)

吉高由里子が主人公・まひろ/紫式部役を演じ、視聴率以上の"好"評価を得て昨年末に終了した大河ドラマ第63作「光る君へ」。SNS上には最終回を悲しむ声が相次ぎ、吉高の凛とした佇まいや情感豊かな熱演が今も頭から離れない人が多いのではないだろうか。
そんな「光る君へ」の脚本を手掛けた"ラブストーリーの名手"大石静と吉高が、大河以前の2023年にタッグを組んだ恋愛ドラマが「星降る夜に」だ。大石の完全オリジナル脚本ということでも注目を集めた本作は、孤独に生きてきた女性産婦人科医と10歳年下の遺品整理士の男性が育む恋愛を描き、"大人のピュア・ラブストーリー"が多くの人の心を捉えた。

(C)テレビ朝日・MMJ
吉高が演じるのは、窮屈で息苦しい社会で心がすり減り、死んだ魚のような目で働きながら毎日を消化する35歳の産婦人科医・雪宮鈴。
ある日、息抜きのためにソロキャンプへ出かけた鈴は、生まれつき聴覚を持たず"音のない世界"で生きてきた青年・柊一星(北村匠海)と出会う。ひと言も発することなくカメラのレンズを向け、自分のマフラーを巻き付けてくるやけに距離の近い一星に戸惑っているうちに、いきなりキスされてしまう...。数日後、運命の再会を果たした鈴と一星は本能で惹かれ合うようにその関係を深めていく。

(C)テレビ朝日・MMJ
まず反響を呼んだのは第1話の突然のキスシーン。冬空の下、初対面の2人がいきなり唇を重ねる姿に視聴者は一気に引き込まれた。第2話のラストでは一星が踏切越しに「好きだ」と告白し、自由に人生を謳歌する一星の輝きに触れて心がほぐされ、内側からどんどん変化していく鈴。その生き生きとした吉高の演技が素晴らしくチャーミングだ。
年齢差や過去に背負った傷、聴覚障害の有無など、付き合いに至る"壁"になりそうな事柄も一星にとっては意味を持たない。清々しいまでの強引なアプローチの連続で、第6話では初めて一夜を共にし、同棲を開始する2人。添い寝、鈴が一星の髪をドライヤーで乾かすシーン、レストランデート――キュンが加速するロマンス的展開と、愛おしすぎるナチュラルなやり取りが"最高のカップル"として注目を集めた。

(C)テレビ朝日・MMJ

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そんな純粋なラブストーリーの中に、出産や育児など現代の日本社会が抱える問題点が提起されていたり、鈴がかつて大学病院を追われる原因となった"5年前の事件"がサスペンスフルに絡んできたり...。長らく鈴を付け回してきた謎の人物を演じるムロツヨシの迫真の演技も衝撃的だ。様々な"愛"から透けて見える人間の本質や、緻密な大石脚本が紡ぐ深いメッセージ性には、最後まで目が離すことができず、どっしりとした見応えがある。

(C)テレビ朝日・MMJ

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「光る君へ」終了後の今だからこそ、"現代ロマンス"を生きる吉高由里子の俳優としての振り幅に驚かされる「星降る夜に」。令和らしいエッセンスも多分に散りばめられた彼女の繊細な演技には、やはり、どうしようもなく心惹かれてしまうのだ。
文=川倉由起子
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