佐々木蔵之介の熱演と齋藤飛鳥の華憐さが原作ファンも満足させた秀逸ドラマ!「マイホームヒーロー」
2025.1.29(水)
平凡なサラリーマンの主人公・鳥栖哲雄が、家族を守るために半グレ集団を相手に奮闘するクライムサスペンス「マイホームヒーロー」。過酷な状況を脱するスリルと頭脳戦、そして家族の絆も描いた漫画で、アニメ化はもちろん、2023年には実写ドラマ化、2024年には実写劇場版も公開されたヒット作だ。
実写ドラマはネットなどでも評判が高く、原作のファンを十二分に満足させた秀作だった。そのポイントとして挙げられるのが、絶妙なキャスティングだ。
主人公の哲雄を演じたのは、実力派俳優として知られる佐々木蔵之介。近年も映画「ゴジラ-1.0」(2023年公開)や、大河ドラマ「光る君へ」(2024年放送)などに出演し、説得力のある演技で視聴者を物語に引き込んでいる。
そして哲雄の一人娘・零花役で出演したのが、乃木坂46の元メンバーで、センターを務めたこともある齋藤飛鳥だ。齋藤は2024年公開の映画「【推しの子】-The Final Act-」で主要人物のアイを演じ切ったことが話題となり、これからの女優としての活動にも大いに注目していきたい存在だ。
佐々木と齋藤はドラマ「マイホームヒーロー」でどんな演技を見せたのだろうか。まずは齋藤から見ていってみよう。
■両親に守られ普通の生活を取り戻した零花を齋藤飛鳥が愛らしく体現

物語は、哲雄の誕生日から始まる。その日の哲雄は、一人暮らしをしている零花と会う約束をしていて、朝からウキウキ状態。その時、去年の誕生日に零花がピアノを弾いてくれた回想シーンが挿入されるのだが、その時の齋藤の愛らしい雰囲気はさすがだし、自分の曲を入れたCDを売りつける時の笑顔も自然な雰囲気だ。明るくて屈託のない零花という人物像がイキイキとして画面に映るのは、齋藤自身の魅力と好演によるものだろう。
しかし、待ち合わせのファミレスに現れた零花は、なぜかマスクとサングラスで顔を隠していた。それは彼氏の麻取延人(内藤秀一郎)に暴力を振るわれたためなのだが、顔の傷を見つけた哲雄に問い詰められた時の視線の動きや瞬きは、つらい目に遭ったことや、傷を父には知られたくなかった気持ちなどが、痛いほどに伝わってくる。
そこから物語は予期せぬ方向へ動き出す。哲雄が零花の部屋にいた時に、偶然、延人が訪ねてきて、哲雄は延人が零花を殺そうとしていることを知ってしまう。そして哲雄は零花を守るために、延人を殺してしまうのだ。
もちろん、そのことを零花は知らない。しかし延人が行方不明になったことで、零花は普通の生活に戻っていく。そんな中で、遺体の処理を終わらせ家に戻った哲雄に「すごい疲れてない?」と心配そうに声をかけたり、哲雄の頭の怪我を見て目を大きく見開いたり、齋藤が演じる零花は家族思いであると同時に、自然体の愛らしい姿をたくさん見せてくれる。
■殺人も厭わない半グレ集団を相手に奮闘する、弱くて強い"父"をリアルに演じた佐々木蔵之介

そんな零花を守るために奮闘するのが、佐々木演じる父・哲雄だ。物語の序盤は情けないシーンが多くあり、弱い男として描かれる。街で偶然出会った延人にすごまれた時には恐怖で顔を引きつらせ、延人の仲間にボコボコにされた後に歌仙と電話で話す時には、声はうわずり、かすかに体も震えている。「これが演技か?」と思ってしまうくらいに、その姿にはリアリティがあるのだ。
零花の部屋で延人を殺害する時も、自我が暴発して止められない様子が伝わってくる。極限の状況にある哲雄の心情や、それによって起こる体の変化さえリアルに表現する佐々木の演技力は、凄まじいというほかない。

しかし話が進むと、哲雄も覚悟を決め、作戦を立てて立ち回るようになる。哲雄を延人殺しの犯人と疑う間島恭一(高橋恭平)に「僕と組みませんか」と言う時の真剣な眼差しや、関係者に嘘をつき、事を有利に動かそうとする時の重く揺るぎない空気には、哲雄の覚悟と、"強い父"が感じ取れる。そういった変化を演技で伝えてくる佐々木の力量はさすがと言えるだろう。
果たして哲雄は零花を、家族を守り抜けるのか。極限のスリルと頭脳戦の妙味がふんだんに詰まった本作を、齋藤飛鳥と佐々木蔵之介の熱演と共に、ぜひ最後まで楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
マイホームヒーロー
放送日時:2025年2月22日(土)21:20~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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