監督・北野武が俳優・ビートたけしとしても出演し、こだわりを見せた映画「3-4X10月」
2025.1.27(月)

■北野武監督作品の序章「3-4X10月」
北野武といえば、テレビの人というイメージが強いかもしれない。世代問わず一度はテレビ番組で目にしたことがあるからだ。しかし、北野武は監督としてもその才能を遺憾なく発揮している。昨年には「首」が公開され、歴史映画の中にもコメディ要素を忘れず、また映画にしては有り得ない数の生首が出ることで衝撃を集めた。今回はそんな北野武作品の中から「3-4X10月」を紹介する。

(C)1990 バンダイナムコフィルムワークス/松竹株式会社
この作品は1990年に公開された映画で北野武監督作品としては2作目になる。作品内容としては中々奇抜なもので、草野球チームに所属する雅樹(柳憂怜)がひょんなことから大友組のヤクザと衝突すると、幹部が刺される事件が勃発。そこからヤクザとの抗争になり、雅樹は拳銃を入手しようと沖縄へ向かう。様々な経緯を経て拳銃を手に入れた雅樹だったが大友組には返り討ちにされてしまい、最後にはガソリンスタンドのタンクローリーで事務所に突撃することを思いつく...。
暴力と引き込まれる映像が淡々と続く本作、ここからはもう少し内容に迫ってみよう。
■映像と役者を兼任する北野武とビートたけし

(C)1990 バンダイナムコフィルムワークス/松竹株式会社
北野武を監督名、ビートたけしを俳優名とし、北野は作品を構築する。本作では主役ではないが、主役を務めることも多々だ。
本作品内でも印象的な役柄で雅樹たちが沖縄で出会ったヤクザの1人上原を演じている。中でも笑顔で真っ黒な歯を見せつけるシーンは単体の画としても有名だろう。上原は組の金を横領したことで組から追われていたが、それでも好き放題暴力を振るう凶暴性を湛えた人物でビートたけしは笑顔の中に残虐性のすごみを抱えながらこれを演じた。
加えて、映画全体を通しても北野武として理不尽な暴力をばらまいた。というのも作中ではとにかく、暴力的なシーンが多く、1つの暴力沙汰を深掘りするのではなく、数多くの理不尽な暴力沙汰(ヤクザに理不尽に喧嘩を売られる一般人など)をスクリーンに映している。
これは北野映画の特徴の1つで特にセリフが少なめで具体的なストーリー説明もあまりない本作では更に目立っているといえるだろう。また、本作はたけし軍団の芸人が多数出演したが笑いを取りに行っている雰囲気はなく、映画中の登場人物として映画にしっかり生きている。だからこそ、北野が描きたかったであろう暴力もしっかりと恐怖や畏怖を湛えた「暴力」としてスクリーンに映されており、その生々しさは必見だ。
本作は確かにストーリーより視覚的に楽しむ作品といえるが、紹介の際に結末を書くことは省いた。というのもストーリー的にも少々驚くような展開だったからだ。これは是非、ご自身の目で確かめてほしい。
文=田中諒
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