福原遥&水上恒司のタイムリミット付きのピュアな恋に号泣必至...大ヒット作「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
2025.12.31(火)

タイムスリップものに人気があるのは、自分が生きている現在とは文化が違う時代に行けるから。そんな異世界でのワクワク感を楽しむジャンルだが、逆に「最も行きたくない時代」に行ってしまうこともある。日本の場合、それは80年前の太平洋戦争中、しかも、日本本土が空襲などで攻撃された戦争末期ではないか。
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は、そんな最も危険な時代に現代の女子高校生がタイムスリップし、出撃直前の特攻隊員と恋をするという物語だ。原作は、シリーズ累計発行部数85万部を突破した汐見夏衛によるベストセラー小説で、2023年12月に公開された実写映画版も大ヒットした。その映画が1月にWOWOWで放送される。
団地でシングルマザーの母(中嶋朋子)と暮らす高校生の百合(福原遥)は、余裕のない生活にイライラして不満ばかり。ある日、進路を巡って母とぶつかり家出をして、近所の防空壕跡に逃げ込み、ひと晩眠って目が覚めるとそこは1945年6月の日本だった。
百合は、呆然として町を歩いていたところを偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる。心優しい彼は、近くの基地で出撃命令を待つ特攻隊員だった。
百合は食堂に住み込み、女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)と共に働くことに。たびたび食堂を訪れる彰や石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)と交流。そんな日々の中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさに惹かれていく。しかし、自分が未来から来たことや、日本が戦争に負けるという事実は彼にも打ち明けられず...。
■福原遥と水上恒司が体現した、芯の強さ、感情の揺らぎ

(C)2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
福原は"朝ドラ"ことNHK連続テレビ小説「舞い上がれ!」(2022年)でヒロインを務めた後、この映画に出演。実際は20代半ばなので、インタビューでは「今時の高校生ってどんな感じなんだろうといろんな人に話を聞いたりしながら役を作り上げていきました」と語っている。
映画「あの花」W主演の福原遥と水上恒司がお互いの印象を語る「安心感に支えられました」(2023.12.08)
百合は戦時中の時代に行ってから、周囲の様子をうかがいつつ自分の身を守っていたが、福原が語ったように「意見を素直に口にできる芯の強さ」がある女性。彰たち特攻隊員と心を通わせるうちに、彼らにとっては禁句である「命を捨てて特攻する意味があるのか」という言葉も、投げかけてしまう。しかし、それは歴史を知っている現代人ゆえの上から目線ではなく、彼らになんとか生き永らえてほしいという願いからだった。福原は、そんな百合の悲しみと憤りが入り交じった気持ちを、ひたむきに演じている。

(C)2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
一方、水上は、まだ若いのに命を捧げることを選び、しかし軍人として偉ぶることもなく、全てを悟ったような彰を、研ぎ澄ました表情で表現。しかし、百合と丘の花畑に行ったり、2人きりで話したりする時は人間らしい感情の揺らぎも見せる。インタビューによると、水上は、もともと戦争について自分で本を読んだり調べたりしており、映画の製作現場でも戦時中の描写について意見を言ったという。そんな思い入れがあるからか、彼がこれまで演じてきたどの役ともちがう、迫真の演技を見せている。完全に「違う時代の人」に見えるのが、すごい。
原作者の汐見夏衛は教師で、原作小説を書く際、今の10代、20代に戦争のことをもっと知ってほしいという思いを込めたという。それだけに、映画の空襲シーンもリアルで恐ろしい。戦闘機が多数飛んできて一般市民の住む町をじゅうたん爆撃。逃げ惑う人を狙い撃つように殺害する。そんな戦争の残酷さと、攻撃される側にとっては生活の場を破壊されるという恐怖をリアルに描いている。そして、そんな空爆や空襲は、けっして過去のものではなく、今も世界のどこかで起こっている現実なのだ。
文=小田慶子
放送情報【スカパー!】
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
放送日時:2025年1月18日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2025年1月19日(日)23:00~ほか
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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