柏原芳恵、森下愛子、朝丘雪路がどこか抜けてる結婚詐欺師を演じたドラマ「美人母娘三人、あゝ華麗なる結婚サギ 長崎篇」
2024.12.17(火)
それぞれ違った魅力を持った女優、柏原芳恵、森下愛子、朝丘雪路。そんな3人が美人母娘を演じて男たちを翻弄する姿を描いたドラマが「美人母娘三人、あゝ華麗なる結婚サギ 長崎篇」だ。この作品はサスペンスでありながら、3人のコミカルなやり取りが作品を軽やかなものにしている。
同ドラマは、1987年にテレビ朝日系「ドラマ21」で放送されたもので、神奈川・鎌倉に屋敷を構える資産家が詐欺に遭って屋敷を失い、その妻と娘が屋敷を取り返すべく、結婚詐欺師として暗躍するという内容。そのため、3人は"詐欺のプロ中のプロ"というわけではないところがポイントだ。どこか抜けていたり、"悪"に成り切れなかったりと、人間味あふれるキャラクターとして物語を紡いでいる。
前編では、だまされて人手にわたった屋敷を取り返すため結婚詐欺を繰り返している母娘、かわはらひなこ(朝丘)、ひとみ(森下)、千秋(柏原)は、失敗しそうになりながらもなんとか東京近郊のドラ息子・たかし(アパッチけん ※現・中本賢)をだまして200万円をせしめる。
後編では、姿をくらますため長崎にやってきた3人は、新たなターゲットに狙いを定める。ひとみはホテルチェーンのオーナーの御曹司・岩倉達彦(藤堂新二)、ひなこと千秋はアメリカ帰りの医者・おおさわじょうじ(松崎しげる)とその父親で病院長のしんいちろう(神山繁)に近づく。
(C)東映
「結婚詐欺がうまくいくのか」「途中でばれないか」といったドキドキする展開はもちろんなのだが、この作品の一番の魅力といえば3人の感情豊かな演技に他ならない。特に、男たちの前で猫を被っているシーンと3人だけの素が出ているシーンのギャップや、3人によるコミカルでかしましいシーンは必見。母と娘でありながら、同じ目的のために奮闘する同志でもあるため、親友のような関係性でそれぞれのキャラクターを描き出しており、時に「このままターゲットと本当に結婚してしまった方が幸せなのでは」と個人の幸せを尊重する瞬間など、家族愛も同居する感情表現はホームドラマ的な要素もあり、メインのサスペンスとは違った醍醐味もある。それは何より3人がそれぞれのキャラクターを愛嬌たっぷりに演じているからだ。結婚詐欺ではあるのだが、彼女たちのかわいらしさにやられてしまう情けない男たちへの制裁のような清々しさを感じてしまうほど。
ドキドキのストーリー展開に手に汗にぎりながら、物語を終始柔らかく軽やかにしている3人が醸成する空気感を楽しんでほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
美人母娘三人、あゝ華麗なる結婚サギ 長崎篇 前編
放送日時:12月26日(木)23:00~
美人母娘三人、あゝ華麗なる結婚サギ 長崎篇 後編
放送日時:1月1日(木)16:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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