広瀬アリスがコメンディエンヌを封印してシリアスな演技の境地を見せたリーガル・ミステリー「連続ドラマW 完全無罪」
2024.12.8(日)
連続テレビ小説「わろてんか」(2017年)や「探偵が早すぎる」(2018年)といった作品でコメディエンヌとしての演技を高く評価されている広瀬アリス。近年では、恋愛ドラマ「366日」(2024年)で運命に振り回されるヒロインを主演するなど役の幅を広げている。
そんな彼女が骨太の作品に定評があるWOWOWの連続ドラマに初出演したのが「連続ドラマW 完全無罪」。「タロウのバカ」(2019年)、「MOTHER マザー」「星の子」(共に2020年)といった作品で現代の家族関係や社会の闇を描いてきた大森立嗣監督が、大門剛明の同名小説を実写化したリーガル・ミステリーだ。
(C)大門剛明/講談社 (C)2024 WOWOW/メディアプルポ
21年前に起きた少女誘拐殺人事件「綾川事件」の再審請求の担当に抜てきされた弁護士・松岡千紗(広瀬アリス)は、容疑者・平山聡史(北村有起哉)と接見することに。「綾川事件」と同時期に起きた少女誘拐事件の被害者のひとりであった千紗は、事件の真相と共に、自分を連れ去り恐怖を与えた人物を探そうと奔走する。一方、「綾川事件」を担当した元県警刑事で今は被害者サポートセンターで働く有森義男(奥田瑛二)は、被害者遺族の池村敏恵(財前直見)に寄り添う中で、冤罪を主張する平山に疑念を抱く。
少女誘拐殺人事件を軸に、被害者の心理や冤罪の裏に潜む人間模様が描かれる本作。事件の真相が見え隠れするストーリー展開でミステリーとしての見どころも抜群だが、登場人物の怒りや憎しみといったやるせない感情が繊細に時に力強く表現されている。
(C)大門剛明/講談社 (C)2024 WOWOW/メディアプルポ
広瀬演じる千紗は、自身のトラウマと対峙しつつ弁護士として事件の真相をひも解いていくと同時に、自分を殺めたかもしれない平山に対して「人を信じることとは?」を自問していくかなりの難役。そんな千紗を広瀬は笑顔を封印し、何を考えているのか読み取りにくい表情をしながら演じているのが印象的だ。
ドラマの舞台あいさつで「(オファー当時は)本当にコメディーばっかりやっていた。何を見て、この作品のお声がけをしてくださったのか、不思議な感じでした。一番対極の作品だと思っているので」と語っていた広瀬。実際にここまでシリアスな演技を見せたのは、本作が初めてと言える。
(C)大門剛明/講談社 (C)2024 WOWOW/メディアプルポ
現場で他の俳優とともにセッションしながら役を作り上げていったという広瀬。平山を演じた北村有起哉や元刑事の有森を演じた奥田瑛二、風間俊介や鶴見辰吾といった実力派俳優らに負けない力強い演技を見せている。また監督からは「芝居しないように」と言われていたことを明かしており、リアルな芝居を心がけていたという。実際に初めて平山と接見するシーンの緊張感や戸惑う表情は、芝居を超えた臨場感が伝わってくる。
パラレルワールドの住人や神様といった突拍子もない設定でもどこかリアルを感じさせてきた広瀬アリスが、新境地を開拓した本作。振り切った演技だけではない彼女の魅力を再確認してみてはいかがだろうか。
文=玉置晴子
放送情報【スカパー!】
連続ドラマW 完全無罪
放送日時: 12月22日(日)0:00~
チャンネル: WOWOWプライム
※全5話一挙放送
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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