永作博美が凛とした姿でキャリアの警部役を熱演!犯人役に内藤剛志らも共演の「交渉人」
2024.11.16(土)
可憐な笑顔と等身大の演技で、さまざまな映画やドラマ、舞台などで確かな存在感を放っている永作博美。
1989年にアイドルグループ「ribbon」のメンバーとしてデビューし、そのキュートなベビーフェイスで注目を集める中、役者としても活躍のフィールドを広げるように。実の姉とドロドロの愛憎劇を繰り広げるOLを演じた「週末婚」や、若年性アルツハイマー病に冒され、徐々に夫との記憶を失っていく女性を熱演した「Pure Soul~君が僕を忘れても~」など、高い演技力が求められる役柄で確かな評価を獲得。2010年代に入ってからは、映画「八日目の蝉」での熱演で、日本を代表する実力派俳優のひとりとして確固たる地位を築いたことでも知られている。
そんな永作がクールな警部役を演じたのが、2005年にテレビ朝日の土曜ワイド劇場で放送されたドラマ「交渉人」だ。
遠野麻衣子(永作博美)はキャリアの警部でありながら、とある事情から、現在は品川中央署の会計課に配属されていた。そんなある日、管内で強盗事件が発生し、拳銃を持った3人組がコンビニを襲った挙句、車で逃走。警察に追われて近くの救急病院に逃げ込んでしまう。3人が患者や医師、看護師など47名を人質に立て篭もり、品川中央署を騒然とさせる中、警視庁警護課特殊捜査班の石田修平課長代理(椎名桔平)から麻衣子宛に「警視庁から指揮官が到着するまでの間、病院前のビルを"前線本部"として犯人との交渉にあたるように」という連絡が入る。実は麻衣子は2年前まで、身代金誘拐、ハイジャック、立て篭もり犯専門の警視庁警護課特殊捜査班に所属し、石田から犯人との交渉のノウハウを叩き込まれていたのだった...。
永作が演じる麻衣子は、プロの交渉人としての訓練をしっかり受けたキャリアの警部。立てこもり犯との交渉を突然任されたとしても、それまで積み重ねてきたノウハウを武器に、巧みに犯人との信頼関係を結び、事件を解決へと導く"プロフェッショナル"だ。
当時35歳だった永作は、彼女の代名詞でもある明るい笑顔を本作では封印。大人の女性としての凛とした美しさをその横顔に漂わせながら、麻衣子の肩にのしかかる責任や重圧を表現した。
警官隊が病院を取り囲む中、所轄署刑事課の安藤(竜雷太)らを配下に麻衣子は犯人との交渉に当ることに。しかし、所轄署刑事の1人が、「麻衣子の指揮下に入るのが面白くない」という理由で、犯人からの電話に勝手に出て高圧的な態度で臨み、犯人・越野(内藤剛志)を怒らせてしまう。そんな予期せぬトラブルが起こっても、犯人と交渉する際は聞き役に徹することが肝心だと石田から教え込まれていた麻衣子は、再び犯人からかかってきた電話に懸命に対応する。
まだまだ男性優位な事件現場で、即席で結成されたチームの男性部下に反発されるといった、当時の社会状況を色濃く反映したかのようなシチュエーションも、永作が持つ生来の柔らかく親しみやすい雰囲気が、視聴者にリアリティを感じさせるのに大きな役割を果たしている。
やがて、金本参事官(矢島健一)と共に特殊捜査班が現場に到着し、指揮権は石田へ。経験に裏打ちされた交渉術で犯人側の要求を聞き出そうとする石田だったが、そこからは、まさに誰にも予測できない展開に。原作者・五十嵐貴久が紡ぎ出した巧みなドラマに、誰もが心揺さぶられるだろう。
2003年には三上博史、鶴田真由出演でドラマ化もされ、短期間の内に二度も映像化されるほど魅力的なタイトルであることが証明されている本作。次第に明かされる事件の真相と、その先に待ち受ける奥深い人間ドラマを、永作の演技に注目しながら最後まで見届けてほしい。
文=中村実香
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