所ジョージの自然体な演技が魅力的!温かくもユーモアあふれる「ペエスケ ガタピシ物語」
2024.11.8(金)

所ジョージといえば、その自然体で親しみやすいキャラクターで好感度抜群、お茶の間の人気者となったタレント。ミュージシャン、タレントなど幅広いジャンルでマルチな才能を誇ってきた所だが、実は俳優としても高い評価を受けている。日本映画界が誇る巨匠・黒澤明監督も俳優としての彼の存在感に魅せられたひとりであり、遺作となった「まあだだよ」でも、松村達雄演じる主人公・内田百閒の門下生、という主要キャストの中のひとりに抜てきされている。

(C)1990東京シネマ倶楽部
そんな彼の俳優としての魅力が堪能できるのが園山俊二の人気マンガを実写映画化した1990年の「ペエスケ ガタピシ物語」だ。監督は「ドン松五郎の生活」の後藤秀司。脚本を担当するのは演出家・劇作家のつかこうへい。「蒲田行進曲」「二代目はクリスチャン」などで知られる彼が自身の原作ではないシナリオを書くのは初のことであり、当時社会問題となっていた地上げや、環境破壊といったテーマを織り込んだオリジナルストーリーで、「ペエスケが父親として成長していくストーリー」を描き出した。また音楽監督にはジブリ作品をはじめ、数多くの映画音楽を担当した久石譲が参加するなど、実力派のスタッフが勢ぞろい。さらに岡田眞澄、竹中直人、石倉三郎、斎藤晴彦、谷啓、宍戸錠ら豪華キャストが参加。

(C)1990東京シネマ倶楽部
所が演じるのは、仕事はさっぱりでも、仕事以外のこととなると妙に張り切る、落ちこぼれサラリーマン・ペエスケ。まさに所ならではのひょうひょうとした、魅力的なキャラクターとなる。彼は妻のヒロ子、息子の平太、そして愛犬のガタピシたちと一緒に、ささやかながらもしあわせな暮らしを送っていた。そんな彼の人の良さにつけこまれ、会社から地方転勤を命じられ、田舎の海辺沿いの街に引っ越してきたペエスケ一家。当初は会社から工場用地買収を命じられていたペエスケだが、この土地で暮らすうちに美しい海と自然豊かなこの街に魅せられ、やがて会社と対立するようになる...。

(C)1990東京シネマ倶楽部
ペエスケと暮らす家族も魅力的なキャストが集まった。妻のヒロ子を演じるのは映画「片翼だけの天使」や、朝ドラ「おはようさん」、山口百恵主演の「赤い」シリーズなどで知られる秋野暢子。後藤監督からは「自然な夫婦を演じてほしい」という演出があったとのことで、ふたりが自然体で寄り添う姿は、非常に仲睦まじい。また息子の平太を演じるのは、当時2歳でオーディションで選ばれた子役・近藤吏一。初々しい存在感で、スクリーンを彩っている。そして愛犬ガタピシを演じたのは、「南極物語」をはじめ数多くの作品を手がけた宮忠臣ドッグトレーナーが全国を探し回り、沖縄の保健所であわや殺処分寸前のところで引き取った野良の雑種犬が出演。そんなペエスケ一家がかもし出す温かくもユーモアあふれる家族の日常の雰囲気は、観ていて非常に微笑ましいものがある。
また本作の主題歌となる「春一番の前」は所自身が作詞・作曲・歌唱を担当。温かみのある所の歌声が、本作の物語に非常にマッチしており、さわやかな余韻を残す作品となった。
文=壬生智裕
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