石川界人のナビゲートで送る、サバンナに生まれたヒョウの成長と親子の絆
2023.2.5(日)
「ハイキュー!!」の影山飛雄や、「盾の勇者の成り上がり」の岩谷尚文などの数多くのアニメでメインキャラクターを務めている石川界人。はつらつとした明るさと力強さ、そして気品をも兼ね備えた声質の石川は、真面目な男子高校生からミステリアスな吸血鬼、筋トレに人生を賭けるスポーツジムインストラクターまで、幅広い役柄に華やかさを与えられる実力派として知られている。
そんな石川が、アフリカの大自然の中で生きる動物たちの生態を美しい映像で綴る、ナショナル ジオグラフィックの日本初放送となるネイチャードキュメンタリー「トト:翡翠色の瞳を持つヒョウ」でナレーションを務める。
本作の舞台となるのは、ケニア南西部に位置し、野性動物の宝庫として世界的に有名なマサイマラ国立保護区に隣接する、オラレ・モトロギ保護区。その片隅で生まれたヒスイ色の瞳を持つメスのヒョウ・トトは、母親・フィグのお腹の中にいる時からドキュメンタリー番組制作スタッフに見守られていた存在だった。ライオンとハイエナの群れが住むこの地域の中で、フィグは「大切な我が子を安全な場所で出産したい」と願ったのだろうか、人間が宿泊するサファリキャンプのテントの下を我が子の誕生の場に選ぶ。スワヒリ語で「小さい」という意味の名を与えられ、生まれてから数日後には草むらを元気に歩き出したトトは、フィグの大きな愛情に守られながら、何不自由ない暮らしを送っていた。しかし、サバンナにも雨期がやって来たことでキャンプサイトは洪水に流され、2匹は安全な住処を追われる。サバンナを転々としながら、力を合わせて生きるヒョウの親子だったが、強い絆で結ばれた母と子にも、別れの時が迫っていた......。
(C)Beverly Joubert
愛らしいトトの成長を通じて、野生のヒョウを取り巻く複雑な環境と、そこで育まれる親子の愛に光を当てるネイチャードキュメンタリーに、石川は優しくも力強いナレーションで参加。夕陽のオレンジに染まるサバンナにシルエットで登場する草食動物たちが、いつ肉食動物が襲ってくるかわからないという緊張感に包まれていることを伝えるシーンでは、やや固い印象を与える声で、その場の雰囲気を最大限に伝える。そして、緊張感の源でもあるヒョウ・トトが、いわゆる「へそ天」と呼ばれる、弱点のお腹を晒しながら仰向けのまま、リラックスポーズを取っている場面では、先ほどとは打って変わり、声のトーンが温かなものへと変貌していく。
ぬいぐるみのように可愛らしい子ども時代からはじまり、狩りや木登りなどを母から教わりながら、少しずつ独り立ちの準備をしていくトト。夜間の狩りの様子を暗視カメラで追うなど、今までにない映像技術も盛り込みながら、彼女が立派な捕食者になるまでの日々を追った本番組。優しいニュアンスが感じられる語りで、石川がトトの物語に寄り添ったからこそ、ある意味残酷な狩りのシーンも、命の営みの一部なのだと受け入れることができるはずだ。
文=中村実香
放送情報
トト:翡翠色の瞳を持つヒョウ
放送日時:2023年2月23日(木・祝)22:00~ほか
チャンネル:ナショナル ジオグラフィック
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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