多部未華子の純真無垢さが魅力的！松田翔太のハマリ役も変わらずな映画「ライアーゲーム－再生－」

2024.10.20(日)

2024年に公開されたディズニー映画「インサイド・ヘッド２」では重要な役どころを務め、声優としてもその確かな演技力を世に示した多部未華子。多部のキャリアは20年以上に及び、映画・ドラマを中心に様々な作品に出演しているが今回はその1つである「ライアーゲーム ―再生―」を紹介する。

■様々なシリーズが作成された「ライアーゲーム」

2012年に公開された本作は秋山役の松田翔太を除いたキャストをほぼ一新した形で作成された。多部が演じた篠宮優は今回のライアーゲームに巻き込まれる主人公のポジションであり、秋山は篠宮を助ける形でライアーゲームに参加する。

ライアーゲームとは招待状を受け取った人間が参加するゲームで巨額の報酬を受け取れる可能性がある代わりに巨額の借金を背負う可能性があるというゲームだ。本作では椅子取りゲームが開催された。ただの椅子取りゲームではなく元々候補者よりも少なく用意された椅子が更に削られていくという、小学校の頃にやった人も多いであろう皆で椅子を囲んで和気あいあいとプレイするものとは大きく異なる。松田が演じるお馴染みの秋山は早々にこのゲームが「国盗りゲーム」の様相を呈すると気付き、篠宮を仲間に引き込みながら他の候補者を蹴落としていく。

■お馴染みの松田翔太と初参加の多部未華子

松田翔太という俳優を聞いて真っ先に浮かぶのが「ライアーゲーム」の秋山深一であるという人も多いだろう。そのくらい秋山は松田にとってはまり役でアイコニックな役だ。松田の芝居は冷徹でいながらも情熱的で、こと勝負事における頭脳戦では斜に構えた様相の裏に絶対に負けないというプライドがみえる。また、本作でも秋山は篠宮の浅はかともいえる行動に振り回され、本人に鋭い言葉を投げかけつつも結局は見捨てることはしない。理性的でありながらも意外と情を重んじる秋山のギャップを端正な顔を持つ松田は完璧に演じている。整った容姿からでる冷徹な言葉を怖いとは思いつつも、偶に仲間に向ける笑顔に心を奪われたファンは多いはずだ。

多部は本作でライアーゲーム初出演となり、大学を卒業したばかりの篠宮を演じている。篠宮は良くも悪くも純粋で自身に巨額の借金が背負うことも厭わずに人を助けようとする節があり、視聴者にとっては時にイライラしてしまうような軽率な行動をとることもある。しかし、多部の芝居は正面から人を捉えるような純粋な部分を全面に押し出したもので、どこか信じたくなるような説得力を持っている。今でこそ様々な役柄をやる多部だが、若さ故の無垢な説得力というのは本作ならではの魅力だろう。

文＝田中諒

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