カン・ドンウォンの気迫と生き様に圧倒!釜山を沸かせた鬼才パク・チャヌクの手腕が光る韓国映画「戦と乱」
2024.10.19(土)

10月11日に閉幕したアジア最大級の映画祭「第29回釜山国際映画祭」。その栄えあるオープニング作品としてワールドプレミア上映され、大きな話題を呼んだNetflix映画「戦と乱」。
"復讐三部作"で知られる韓国の鬼才パク・チャヌクが製作と脚本に参加したことでも話題を集めており、動画配信サービスのオリジナル映画が同映画祭のオープニング作品に選出されるのも史上初。勢いを増す業界の活況ぶりを印象付けるトピックとして世界的な注目を集めた。

映画祭の閉幕日と時を同じくしてNetflixにて独占配信された「戦と乱」は、その名の通り、16世紀末の戦乱に揺れる朝鮮王朝時代を舞台にしたアクション活劇。奴婢出身ながら最高の剣術遣いへと成長した主人公チョンヨン(カン・ドンウォン)と、彼が仕える朝鮮最高の武家の若君ジョンニョ(パク・ジョンミン)が、やがて敵同士となって相まみえ、対立する様子を壮大なスケールで描き出していく。

カン・ドンウォン演じる奴婢のチョンヨンは、幼い頃に両班である兵曹判書の家に連れてこられ小間使いに。武芸が苦手な嫡男・ジョンニョの身代わりに兵棒で叩かれながらも、稽古を眺めているうちに要領を掴んだチョンヨンは、ジョンニョに剣術を教え、次第に友情を育んでいく。成人しても武科挙(武官登用の試験)に落ち続けるジョンニョになりすまし、首席合格を勝ち取るチョンヨンだったが、それをきっかけに親友同士だった2人の運命が激変する。


近年も是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」(2022年)で注目を集めるなど、映画俳優として幅広く活躍するカン・ドンウォンは、身体能力の高さを生かして劇中で壮絶な剣術シーンを披露。奴婢という身分で蔑まれ幾度となく痛めつけられながらも、自力で這い上がり孤軍奮闘する芯の強いキャラクターを気迫十分に演じている。チョンヨンが抱える深い絶望や葛藤も圧倒的な演技力によって非常に胸を打つものとなっている。


やがて日本軍の侵攻により戦争が起こると、義勇軍で名を上げたチョンヨンは、国王・宣祖の側近の武官となったジョンニョと敵として再会。かつては心を許した親友に憎悪の眼差しを向け、復讐心をたぎらせるジョンニョを「地獄が呼んでいる」(2021年)での演技が高く評価されたパク・ジョンミンが熱演している。
一方、民を苦しめた挙句に逃亡を図る国王・宣祖役のチャ・スンウォンは、シニカルなイメージを体現するため体重を減らして臨んだことを明かしており、威厳がありつつも非道な人物像を見事に表現している。

壬辰倭乱が起きた朝鮮時代を背景に、時に目を覆いたくなるほどの凄惨な描写も容赦なく盛り込みながら、"戦乱の世"の凄まじさを再現した「戦と乱」。カン・ドンウォン、パク・ジョンミンによる気迫に満ちた剣術シーンにも注目しながら、かつて絆を結んだ男たちの生き様を目に焼き付けたい。

文=川倉由起子
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