大沢たかおが抜群の安定感でSPを好演!藤原竜也と作り出した屈指の名場面にも注目の「藁の楯 わらのたて」
2024.9.30(月)

確かな存在感と演技力で、1990年代からさまざまな映画やドラマで活躍を続けている俳優・大沢たかお。彼が2013年に主演した映画が「藁の楯 わらのたて」だ。
「BE-BOP-HIGHSCHOOL」などで知られるコミック作家・きうちかずひろが木内一裕名義で発表した小説を映画化した本作は、とある凶悪犯をめぐるサスペンスミステリー。8年前に少女暴行殺人事件を起こして服役していた犯人・清丸(藤原竜也)。しかし、仮出所の直後、また別の少女の命を奪ってしまった清丸を、被害者の祖父でもある財界の大物・蜷川(山崎努 ※「崎」は正しくは「立さき」)は、大手全国紙すべてに「犯人を殺した者に10億円を支払う」という全面広告を出稿し、追い詰める。今まで匿ってくれた存在に裏切られ、襲われた清丸は、福岡県警に出頭。警視庁のSP・銘苅(大沢)、白岩(松嶋菜々子)ら5人の警官が清丸を東京まで護送する任務を命じられるが、一行は行く先々で懸賞金目当ての連中に襲われる...。
本作で大沢が演じる銘苅は、警視庁の中でも警護課に所属し、要人警護のスペシャリストとして活躍するSP。初登場シーンとなる射撃の腕前を披露する場面では、銃の反動も難なく吸収するほどの屈強な肉体を見せつけ、「これは頼りがいのある男だ」という印象を観る者に一瞬で与える。
そんな彼が犯罪者である清丸を警護し、福岡から東京まで送り届けることに。同じ任務に就く白岩に「初めて日本のSPが銃を撃つことになるかもしれませんね。しかも10億円に一番近い」という冗談を言われるシーンで、大沢は困惑の表情に「一体何を言っているんだ」「冗談を言う余裕があるんだな」「この先が思いやられるな」といったさまざまな感情を見事に凝縮。銘苅の実直な性格をもしっかりと表現してみせた。
そして、白岩からの「銘苅さんは清丸のような人間を警護することをどう思いますか?」という質問に「上から守れと言われたら誰でも守る。それが俺たちの仕事だ」と答えた後、白岩が、同じ任務に就く神箸(永山絢斗)からの嫌味に、先ほどの自分の言葉をコピーしたような答えで牽制したのを見て微笑む場面では、銘苅が精神的にゆとりのある頼もしい存在であることも印象づけた。
その後、福岡で清丸と合流し、東京を目指す銘苅たちだったが、10億円に目がくらんだ者たちがあらゆる手段で清丸の命を狙いに来る。高速道路での移送時には爆発物を積んだトレーラーが逆走。その後も機動隊員が襲撃してくるなど、銘苅たちを窮地に陥れる。そんな中でも、銘苅は体を張って警護対象者の清丸を守り続ける。どんな相手でも私情を挟まず、プロに徹する銘苅を、大沢は圧倒的な安定感で演じきる。そんな大沢だからこそ、二転三転するサスペンスを乗り越えた後に待ち受ける銘苅と清丸の対峙シーンを、「屈指の名場面」として輝かせることができたのだ。
クールなSPを演じきった松嶋菜々子や、狂気を孕んだ表情で観る者を不安にさせ続ける藤原竜也の怪演に加え、日本映画界屈指の鬼才・三池崇史監督が手掛けるダイナミックなアクションシーンが魅力のノンストップサスペンス。大切な存在を失った男たちが選び取る結末を、大沢の安定感に溢れる芝居に注目しながら見届けてほしい。
文=中村実香
放送情報【スカパー!】
藁の楯 わらのたて
放送日時:2024年10月23日(水)23:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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