放送当時36歳の松平健が幕末のヒーロー・高杉晋作を演じる「奇兵隊 第一部 京洛の花に舞う ―決起の章―」
2024.9.27(金)
10月11日(金)に時代劇専門チャンネルで放送される「奇兵隊 第一部 京洛の花に舞う ―決起の章―」は、松平健、中村雅俊、片岡鶴太郎といったそうそうたる顔ぶれが出演する時代劇だ。タイトルにもある「奇兵隊」を創設し幕末期に尊皇攘夷の志士として活躍した高杉晋作を主人公に、激動の時代を生き理想のために散っていった長州藩の若者たちの姿を描く。
1989年に放送された本作は、日本テレビで「日本テレビ年末時代劇スペシャル」として放送されていたシリーズの第5作にあたる。それまでのシリーズでは里見浩太朗がメインの役を務めていたが、本作では放送当時36歳の若々しい松平健が主演を務め高杉晋作を演じた。
■丸坊主に減量も...松平健の徹底した役作り
松平健といえば真っ先に思い浮かぶのが、1978年から放送され国民的な人気を得た「暴れん坊将軍」だろう。この作品で一躍時代劇スターとなった松平は、その後も大河ドラマをはじめ数々の時代劇に出演。本作では血気盛んで豪胆であり、粋な姿も持ち合わせる幕末のヒーロー・高杉晋作を好演している。
まず序盤で目を引くのは都々逸を歌う場面だ。艶やかな着物姿の女性たちに囲まれながら三味線を弾く姿は、女好きな風流人としての高杉晋作を切り取った象徴的なシーンといえる。
またで思い悩んだ高杉が出家するシーンのために丸坊主にしたり、病にむしばまれる高杉の病状に合わせて減量したりと、自らを追い込んで役作りをした松平も。馬上での戦闘など、時代劇の醍醐味ともいえる戦いの場面にも注目したい。
■豪胆さとカリスマを持つ幕末のヒーロー

外的な要素だけでなく、内的な部分でも高杉晋作という幕末の志士を演じきった松平。やはり印象深いのは、涼やかながら鋭い眼光を放つ瞳と堂々たる風貌から醸し出されるカリスマ性だろう。そんな人の上に立つ者の風格を持ちながらも、奔放さが感じられ、それでいてどこか親しみやすいという重すぎない雰囲気が、時として「やんちゃキャラ」「愛されキャラ」と呼ばれる高杉晋作の人物像にぴったりとはまっている。
武力行使に走る同志をいさめる冷静さがありながら、最期は戦って美しく死にたいという武士の精神を持ち合わせているのも松平が演じる高杉の魅力だ。そして圧巻といえるのは、彼の豪胆さが如実に感じられるシーンだろう。中でも白眉なのは、歴史的にも奇跡の逆転劇として知られる「功山寺決起」の場面だ。まったく勝算がないにもかかわらず、たとえ一人でも戦うと言い放つ松平の鬼気迫る名演は必見だ。
■桂小五郎を演じる中村雅俊にも注目
本作は高杉晋作だけでなく、桂小五郎や久坂玄瑞といった長州藩の若者たちを生き生きと描いた青春群像劇としても楽しめる。中でも目を引くのは、桂小五郎役を演じた中村雅俊だ。彼は落ち着いた雰囲気と切れ者としての鋭さを共存させる演技で、無駄な戦いはせず攘夷のために策を講じる桂小五郎を好演。松平演じる高杉に比肩する存在感を見せた中村の姿にも注目だ。
文=元永真
放送情報【スカパー!】
奇兵隊 第一部 京洛の花に舞う ―決起の章―
放送日時:10月11日(金) 23:00~
奇兵隊 第二部 四境ことごとく敵 ―回天の章―
放送日時:10月12日(土) 23:30~
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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