中村倫也が欲望に正直な男子高校生を体当たりで演じたコメディ映画「やるっきゃ騎士」
2024.9.25(水)

最近、劇場に行くとたまに感じることがある。「邦画のコメディ映画ってあまり見かけないな」と。その理由を一観客として何となく想像は出来る。昔に比べれば劇場に足を運ぶ人が減ったといわれ配信が映画鑑賞の覇権であるこの時代に、ヒューマンドラマやアニメより客層が絞られる可能性が高いコメディ映画は作るのが難しいのだろうなと。
色々考えることは出来るのだが、近年では「翔んで埼玉」といったヒットするコメディ映画もあり、ただただ笑えるだけの作品を観たいという観客もそれなりにいるのではないかと思う。そんな「笑いたい」方にオススメのコメディ映画が「やるっきゃ騎士」である。

(C)2015「やるっきゃ騎士」製作委員会
「やるっきゃ騎士」は2015年に公開された漫画を原作とする実写映画だ。1時間15分と映画の中では短い尺に笑いの要素を詰め込んでいる。
この作品、舞台は女尊男卑を主とする聖愛学園。この学園では美崎静香(遠藤新菜)が会長を務める自治クラブが男子生徒を支配していた。そんな学園にエロに正直な誠豪介(中村倫也)が転校してくる。ぶつかりながら親睦(?)を深める2人であったが、突如生徒指導のセクハラ教師・嵐鉄美(アレクサンダー大塚)がやってくる。学園のため、美崎のため誠は嵐を倒そうと立ち上がる!

(C)2015「やるっきゃ騎士」製作委員会
あらすじを読んで頂いても「?」となる読者が多いのではないかと思う。加えて、作中ではお色気・下ネタが数え切れないほど出てくる。舞台とキャラ設定を存分に活かした「笑わせる」ことに特化している映画といっていい。しかし、忘れてはいけないのが実写映画だということだ。アニメではない。俳優が恥ずかしがったり、設定を疑ってしまえば安心して笑える空気感は生み出せない。
主人公を演じる中村はそんな心配を吹き飛ばすほど、体当たりで誠豪介を演じている。誠はエロと好きな女の子に真っ直ぐ(すぎる)熱血漢なのだが、中村の作り出す表情と空気感はそんな誠の精神を体現している。例えば、1対1で美崎と武芸勝負をする場面では勝負よりも美崎と触れ合えることにデレデレしており、その表情は笑えるのだが、とても素直な男子学生そのもので童心を忘れない中村の芝居に関心を覚えるほどだった。このような場面でのエロへの芝居があるからこそ、美崎と打倒・嵐のために過ごす時間の好きな子への真っ直ぐさが際立ち、中村演じる誠に惹かれる美崎の気持ちが何となくわかるのだ。突飛な設定に説得力をもたらす中村の芝居は「笑い」だけではなく一見の価値がある。
中村といえば「カメレオン俳優」と呼ばれるくらい、様々な役柄をこなす俳優だが誠ほど素直なキャラクターはいなかっただろう。また、この作品自体がお色気・コメディというなかなか最近の劇場で出会うことは難しいテイストを内包している。「笑いたい」と気になった方は覗いてみてはいかがだろうか。
文=田中諒
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