透明感あふれるイ・セヨンのラブコメ演技！坂口健太郎と共演するメロドラマ「愛のあとにくるもの」へと続く、その堅実なキャリアとは？

2024.8.29(木)

坂口健太郎と共演する、韓国発の切なくも美しいメロドラマ「愛のあとにくるもの」が9月27日(金)より配信(Prime Videoにて今秋配信)されるイ・セヨン。初顔合わせとなる坂口との"ケミ"が早くも注目を浴びており、子役時代から培われてきたセヨンの確かな演技力にも期待が寄せられている。

近年では、ヨ・ジング演じる王の影武者に惹かれる王妃を演じた「王になった男」(2019年)や、ジュノ(2PM)演じる朝鮮王朝の名君イ・サン(正祖)から寵愛を受ける宮女を演じた「赤い袖先」(2021年)など、シリアスな本格時代劇が続いたセヨン。端正な顔立ちを引き立たせる韓服姿も印象深いが、その翌年に放送された「ルール通りに愛して！」(2022年)ではガラリと印象を変え、イ・スンギとのタッグでコミカルな魅力を爆発させている。

子役として芸能界デビューしたセヨンは、日本でも大ヒットした時代劇「宮廷女官チャングムの誓い」(2003年)に出演。主人公チャングムのライバル・グミョンの幼少期を演じて注目されると、翌2004年には韓国の大ベストセラー小説を映画化した「僕が9歳だったころ」で主人公が恋する転校生ウリムを好演し、韓国の子役スター的存在となった。

その後も、主人公の異母妹を演じた「会いたい」(2012年)や、成功に執着するスター候補生を演じた「トロットの恋人」(2014年)、気の強いヒロインを好演した「最高の一発〜時空(とき)を超えて〜」(2017年)といった多彩な現代ドラマで、堅実ともいえるキャリアを着実に積み重ねてきたセヨン。中でも、正義感の強い変わり者の弁護士を演じた「ルール通りに愛して！」は、彼女の等身大の魅力が光る、コメディタッチのラブロマンスだ。

イ・スンギとの4年ぶりの共演でも話題を呼んだ本作は、かつては天才肌の検事だったビルオーナーのジョンホ(イ・スンギ)と、その同級生の弁護士・ユリ(イ・セヨン)との偶然の再会から物語が幕を開ける。

ユリが誰でも気軽に法律相談のできる"ローカフェ"を開業するため、ある物件を借りると、何とその大家は音信不通だった同級生のジョンホ。今はニート同然の生活を送っていたが、そこは元検事。法律に明るく口が達者な2人が、条文を持ち出して丁々発止の口げんかを繰り広げながら距離を縮めていく。

"困っている人を助けたい、そのために自分の持つ法律の知識を活かしたい"と一生懸命なユリのひたむきなキャラクターにセヨンの意志的な瞳と突き抜けた演技がうまくハマり、真面目だけれどどこか抜けている愛嬌たっぷりのヒロイン像を体現。実はユリに17年もの間年片思いしているジョンホの気持ちに気付かない鈍感ぶりも、思い込んだら一直線のユリらしい。

一方のジョンホは、ある理由から検事を辞め、家賃収入で生活しながらWEB小説家(とは名ばかりのニート)生活を送っている。ローカフェを開業するというユリが心配でたまらず大家の立場であれこれ口を出すジョンホに、ユリは猛反発。猛烈な口げんかを繰り広げるのだが、スンギ＆セヨンが作り出す"17年来"の打ち解けた空気感のせいか、妙にユーモラスで息の合った楽しいシーンに仕上がっている。

文句を言いつつも結局、最後には必死になって支えてくれるジョンホに、次第に「何だか変。ドキドキしてる...」と今まで感じたことのない思いを自覚し始めるユリ。体が触れたり、アクシデントで唇が重なりそうになったりと、物理的に近づく距離もユリの感情を掻き乱していく。

西遊記をモチーフにしたスンギの除隊後初の主演ドラマ「花遊記＜ファユギ＞」(2017年)でも共演している2人だが、この時のセヨンは"三蔵法師"を慕うゾンビ少女役で、スンギ演じる"孫悟空"のロマンスの相手ではなかった。それから約4年以上の月日を経て、芸達者な2人が待望のロマンスを繰り広げる「ルール通りに愛して！」。好感度＆共感度満点なセヨンのラブコメ演技にもぜひ注目してほしい。

文＝酒寄美智子

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