樋口幸平×増子敦貴(GENIC)が再現した「せがだよ」の親密な関係性...アジアのファンを熱狂させた2人の空気感

2024.8.27(火)

"暴君"という本性を隠し持つイケメン気象予報士と、崖っぷちのエロ漫画家による刺激的な恋愛模様が話題を呼び、"せがだよ"として人気を集めた鯛野ニッケの同名BLコミック「体感予報」。

「4月の東京は...」「高良くんと天城くん」「永遠の昨日」など様々なBLドラマを放送してきたMBSのドラマシャワー枠でドラマ化され、W主演を務めた樋口幸平＆増子敦貴(GENIC)というビジュ抜群のカップリングでも多くの支持を集めた本作が、9月1日(日)より女性チャンネル♪LaLa TVにて放送される。

【インタビュー】樋口幸平＆増子敦貴(GENIC)が『体感予報』で恋人役に。距離を縮めるきっかけは「幸平から『ご飯行こう』と積極的に連絡をくれた」

「体感予報」は、超俺様な性格の気象予報士・瀬ヶ崎瑞貴(樋口)と売れない漫画家・棚田葉(増子)の同居生活を描くBLドラマ。漫画家としてなかなか芽が出ない葉は、「瀬ヶ崎の言うことを全部聞く」という条件つきで、瀬ヶ崎と共に暮らし始める。

葉を溺愛しているにも関わらず、その愛情を"命令"という形でしか表現できない瀬ヶ崎と、彼に溺愛されていると気づかないまま身をゆだねる葉――そんな2人のもどかしい関係性が本作の魅力。「BL AWARD 2023」や「電子コミック大賞2023」のBL部門を受賞し、電子書籍サービスで爆発的なDL数を叩き出したこの人気BL漫画を、「オールドファッションカップケーキ」や「彼のいる生活」などでBLドラマブームを牽引する加藤綾佳をはじめ、船曳真珠、安村栄美といったクリエイターが瑞々しく描き出している。

表向きは爽やかなイケメンだが、家に帰ると「メシ」「寝る」「あっそ」と素っ気ない素振りの言葉を葉に浴びせる瀬ヶ崎。お天気ライブチャンネルで見せる清潔感溢れるスーツ姿と、乱暴にネクタイをゆるめる暴君キャラとのギャップが強烈だ。演じる樋口は、スカウトがきっかけで芸能界入りし、スーパー戦隊シリーズで主演を務めるなど、モデルや俳優として幅広く活躍中の長身イケメンだ。

一方、"ダヨちゃん"こと葉役の増子は、男女７人組ダンス＆ボーカルグループ・GENICのメンバー。精力的なグループ活動と並行し、近年ではミュージカル「東京ラブストーリー」や舞台「千と千尋の神隠し」の主要キャストとして注目を集めるなど、俳優としての実績を築いている。

そんな2人が演じる"せがだよ"の同居生活は、淡々とした会話とは裏腹に濃密なスキンシップに満ちている。例えば第1話、キッチンでカレーを作る葉の腰に瀬ヶ崎が後ろから腕を回し、耳元で「まだ？」と囁く場面。はたから見れば瀬ヶ崎の溺愛ダダ漏れのシーンなのだが、演じる2人の親密さによって画面に一層のリアリティが滲み出ている。

樋口と増子の息の合った"ケミ"は、ドラマの爆発的な人気を受けて昨年9月に開催されたファン感謝祭でも話題に。その熱狂的な人気ぶりはアジアにも波及し、マカオでもファンミーティングが行われるなど大きな反響をもたらした。

そんな"せがだよ"の密かな決めごとが、"晴れの日の前には体を重ねる"こと。翌日には晴れ間が出る、という雨の日、しっとりとした空気の中で2人は少し汗ばんだ身体を重ねていく。瀬ヶ崎の"気象予報士"という設定もあって、2人の濃密なスキンシップが瑞々しい天気模様と共に美しく紡ぎ出される。

葉のオタク仲間である万さん(松村沙友里)も、本作に欠かせないキャラクターだ。いちオタクとして"気象予報士・瀬ヶ崎瑞貴"を無邪気に推す万さんの視点があることで、その尊い関係性が際立つ。誰にも知られていなかった2人の同居が万さんにバレてしまい、そのことがきっかけで彼らの仲がさらに深まるなど、一筋縄ではいかない"せがだよ"の主従関係に変化をもたらしてくれる存在だ。さらに、ドラマ「あなたの番です」(2019年)で強烈な存在感を見せた水石亜飛夢が万さんの夫でプロの漫画家・篤弥を演じ、脇を固めている。

自覚がないまま歪な愛を育んでいく"せがだよ"の関係性が切なくもあり、刺激的でもある「体感予報」。アジアを沸かせた注目俳優2人の、画面からこぼれ出るラブラブぶりも楽しみながら味わいたい作品だ。

文＝酒寄美智子

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