宮崎あおいのハジけたコメディエンヌっぷりに釘付け必至!宮藤官九郎監督作品「少年メリケンサック」
2024.7.31(水)
4歳の時に子役としてデビューし、以降、CM出演やモデル、ドラマや映画など幅広い活動を続けてきた宮崎あおい(※「崎」は正しくは「立さき」)。愛くるしい笑顔と抜群の演技力を持ち、歌手の中島美嘉とW主演した映画「NANA」(2005年公開)でブレイクを果たした。さらにNHK連続テレビ小説「純情きらり」(2006年放送)、NHK大河ドラマ「篤姫」(2008年)でも主演を務め、一気に人気女優へと上り詰めたのは周知のとおりだ。
そんな宮崎が初めて挑戦したコメディ映画としてチェックしておきたいのが、2009年に公開された「少年メリケンサック」だ。脚本・監督は宮藤官九郎で、本作が監督第2作となる。宮藤ならではのユニークな設定とテンポの良い構成の中で、宮藤さえ「壊れちゃったのかなと」と語るほどのハジけた演技を見せた宮崎。その演技が視聴者を物語に引き込む、見応え抜群の作品に仕上がっている。
(C)2009「少年メリケンサック」製作委員会
宮崎が演じるのは、とあるレコード会社の新人発掘担当・栗田かんな。冒頭のシーンで、ネットで偶然見つけたパンクバンドの動画を目をグリグリさせて夢中で見ている様子からして、いきなりコメディンヌっぷりが爆発している。動画に映っていたバンド「少年メリケンサック」をプッシュするべく、社長の時田(ユースケ・サンタマリア)に報告に行った時の2人の会話も絶妙で、つい吹き出してしまうほどだ。
しかし、そのすぐ後に来る彼氏・マサル(勝地涼)とのシーンでは、甘い雰囲気全開の恋する女子へと変化する。声すら違うその変わりっぷりも見事なもので、冒頭から"コメディエンヌ・宮崎あおい"に釘付けになってしまう。それも宮崎の愛らしい笑顔と、高い演技力があってこそだろう。
(C)2009「少年メリケンサック」製作委員会
物語は、時田がゴーサインを出した時に動き出す。かんなはまず、「少年メリケンサック」のイケメンメンバー・アキオ(佐藤浩市)とコンタクトを取る。だが、訪ねていった飲み屋で出会ったのは、酒に溺れているくたびれた中年男のアキオだった。
実はかんなが見ていた動画は25年前のもので、すでにバンドは解散、メンバーも皆、中年になっていた。しかし、乗り気になった時田が「少年メリケンサック」のライブツアー計画を進めていて、今更中止とも言い出せない。かんなはなんとかバンドを復活させるべく、奮闘することになる。
リーダーでベースのアキオを始め、ボーカルのジミー(田口トモロヲ)、アキオの弟でギターのハルオ(木村祐一)、ドラムのヤング(三宅弘城)ら、個性的でわがまま勝手なメンバーが相手なだけに、かんなもさまざまなトラブルに巻き込まれる。そしてそんな中だからこそ、かんなもさまざまな表情を見せる。
メンバーが久しぶりに集まったスタジオでは、バンド復活の奇跡が起こることを瞳を輝かせて期待し、それがまったく無理と分かった時には「お話になりません!」と怒り散らす。しかしその表情の中には、期待を裏切られた寂しさのようなものも感じ取れる。コメディエンヌぶりだけでなく、宮崎の魅力と高い演技力も随所で味わうことができるのだ。
初めて行なったライブの会場から逃げ出し、飲み屋で顔を赤らめて飲んだくれている様子はとても愛らしい。また、パンクな生き方を貫くアキオの言葉に徐々に影響を受けていくかんなが、シンガーソングライターを目指すマサルの演奏に疑問を抱いた時の複雑で、悩ましげな表情も絶妙というほかない。
ライブとトラブルを繰り返しながら物語は進み、バンドも少しづつ昔の演奏を取り戻していく。かんなの奮闘とメンバーたちの気概が融合し、いったいどんな未来を作り出すのか。宮崎だけでなく、佐藤浩市らの演技も存分に味わいつつ、彼らがその手で作り上げた結末をぜひ見届けてほしい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
少年メリケンサック
放送日時:2024年8月12日(月)17:50~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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