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沢口靖子の「大人の艶やかさ」が匂い立つ...「科捜研の女」の榊マリコとは一転、松本清張ドラマ「塗られた本」で花開く妖艶で強かな女社長役

2024.7.13(土)

「松本清張サスペンス 塗られた本」(チャンネル銀河)
「松本清張サスペンス 塗られた本」(チャンネル銀河)

1999年のスタート以来、現行連続ドラマ最多シリーズ記録を更新し続ける「科捜研の女」の最新シリーズ「科捜研の女 season24」(テレビ朝日系)が、遂に7月3日よりスタートした。25年という長きに渡って"通称・科捜研"の法医研究員・榊マリコを演じている沢口靖子の清廉かつ気品のある雰囲気は健在。6月に59歳を迎えた今も透明感のある美貌は相変わらずで、新シリーズが開始する度に話題を振りまいている。

四半世紀も演じ続け、もはや沢口自身の"分身"ともいえる榊マリコ役。そんな清廉潔白なイメージとはガラリと印象を変え、男女の色恋が濃く反映された松本清張作品に挑んだ主演ドラマが「塗られた本」(2007年)。この度、松本清張の命日(8月4日(日))に合わせた追悼企画の一環として放送されることになった。

沢口靖子の艶っぽいラブシーンにも魅了される「松本清張サスペンス 塗られた本」
沢口靖子の艶っぽいラブシーンにも魅了される「松本清張サスペンス 塗られた本」

(C)ドリマックス/TBS

「塗られた本」は、現代ミステリ小説の大家であり、「点と線」や「眼の壁」といった空前のベストセラー作品でも知られる松本清張による同名長編サスペンスの映像化。魔性と品性を併せ持つ主人公・紺野美也子を演じた沢口は、不治の病に苦悩する夫、下心を秘めるベストセラー作家、愛人の銀行支店長...といった男たちを虜にするしたたかな女社長を妖艶に表現した。

「松本清張サスペンス 塗られた本」
「松本清張サスペンス 塗られた本」

(C)ドリマックス/TBS

出版社の経営者である美也子の夫・卓一(勝村政信)は、かつては芥川賞を受賞したこともある作家だったが、今は脳の病に侵されて日常生活もままならない。夫の再起を願い、もう一度作品を出版してあげたい美也子は会社を少しでも有名にしようとあらゆる手を尽くす。まずベストセラー作家・青沼禎一郎(吹越満)に接近すると、強引に書き下ろし小説の原稿を依頼。銀座の一流ホステスだった美也子は、女の武器をちらつかせて青沼に原稿の執筆を承諾させたが、そんな彼女の前に思いがけない敵が現れる...。

「松本清張サスペンス 塗られた本」
「松本清張サスペンス 塗られた本」

(C)ドリマックス/TBS

当時40代だった沢口の凛とした着物姿がまず圧倒的に美しく、冒頭から目を奪われること必至。パーティー会場に居合わせた男性客同様、その艶やかな佇まいに見惚れてしまうはずだ。

その後、病状が悪化していく夫を気に掛けながらも、並外れた度胸と野心で青沼にアタックし、秘密裏に融資してくれている銀行支店長・井村重久(本田博太郎)とも人目を忍ぶ関係を続ける美也子。男たちが美也子にほだされるシーンは、彼女の清楚な服装も含めた麗しい美貌はもちろん、話し方や目線、所作など全ての美しさが際立っていて、これで落ちない男はいない...という説得力に満ちている。

「松本清張サスペンス 塗られた本」
「松本清張サスペンス 塗られた本」

(C)ドリマックス/TBS

原稿執筆中の青沼にホテルへ呼び出され、そこから始まるラブシーンも大人の色っぽさが全開。ベッドに横たわってもなお美しすぎる顔面と、年齢を重ねたからこその艶っぽさに息を飲むに違いない。

展開のテンポが速く、あっという間にのめり込んでしまう緻密なストーリーと、美也子という一筋縄ではいかない人物をとことん魅力的に見せる沢口靖子の演技。彼女の美貌が時に華やかに、時に切なく光る、秀逸なドラマだ。

文=川倉由起子

放送情報【スカパー!】

松本清張サスペンス 塗られた本
放送日時:2024年8月3日(土)12:15~
チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた
※放送スケジュールは変更になる場合があります