映画「キリエのうた」がドラマ化!アイナ・ジ・エンドの歌声による感情表現や、共演の松村北斗、黒木華、広瀬すずの演技にも注目の作品「路上のルカ」
2024.6.30(日)
アイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華、広瀬すずの共演が話題を呼び、第47回日本アカデミー賞話題賞を受賞した音楽映画「キリエのうた」('23年)を岩井俊二監督自ら再編集して新たな視点と共にドラマ化した「路上のルカ」が日本映画専門チャンネルで7月28日(日)に放送される。石巻・大阪・帯広・東京という4つの土地で描かれた物語を、ドラマでは時系列に沿って紡いでいく。
小学校教師の風美(黒木華)に保護された少女・ルカ。時が経ち、高校生になったルカ(アイナ・ジ・エンド)は、姉の恋人だった夏彦(松村北斗)と帯広で過ごし、女子高生の真緒里(広瀬すず)と友情を育むが、彼女を待ち受ける運命は常に過酷で...。やがて東京で姉の名前・キリエを名乗って路上ミュージシャンとして生活を始める。
映画ではカットされた登場人物たちの個々のエピソードをじっくりと描いた「路上のルカ」。ルカをはじめとした登場人物の心の機微に触れる演技が堪能できる。
ルカを演じるのは、本作の基となる「キリエのうた」が映画初主演となったBiSHの元メンバーであるアイナ。歌うことでしか声を出せないというルカだが、何かを常に探し求めている表情は、言葉以上に彼女の心情を訴えてくる。そして何よりもルカを魅力的に見せているのが、アイナのハスキーな歌声。本作は映画「スワロウテイル」('96年)「リリイ・シュシュのすべて」('01年)でタッグを組んだ、映画監督・岩井俊二×音楽プロデューサー・小林武史のコンビが織りなす音楽劇。これまでの作品でも、セリフはもちろん歌詞やメロディーから登場人物の心情を表現することが多かった。
今回も同様に、キリエ(=ルカ)が歌う"うた"は、彼女の感情を伝えてくる。歌声によって彼女が何を考え感じているのかを受け取れるのも本作ならでは。ちなみに劇中でキリが歌う楽曲はアイナの書き下ろしによるものが多数とのことで、ミュージシャンのアイナが演じたからこそ、ルカの圧倒的な存在感を表現できたのだろう。
そんなルカを幼い頃から知り、慈愛の目で見守っている夏彦を演じるのが松村。恋人であったルカの姉・キリエ(アイナ(二役)) に対するある後悔と共に生きている。高校生の頃の闊達とした姿から一辺、業を背負ってしまってからの、笑顔の中にもどこか怯えた表情を見せる姿は、同じ俳優が演じているとは思えないほど。キリエに対して一瞬でも抱いた感情を忘れたくても忘れられずに泣き崩れる姿は、見る者に人間の非情さとどうしようもなさを訴えかけてくる。人間が単純でないことを、松村の繊細な演技により思い出させる名シーンだ。

そんな若かりし頃の夏彦の心の吐露を受け止める風美を演じる黒木華の演技も忘れられない。彼女自身がまとっている凛とした雰囲気そのままに、どのようなことを言っても受け止めてくれる慈愛に満ちた表情は説得力を持っている。夏彦が風美に過去を打ち明けるのも納得だ。
そしてルカの高校の時の友達・真緒里を演じる広瀬すずの演技の幅の広さにも驚かされる。帯広にいる頃の真織里は、現状を嘆きながらも夢を持つことを忘れない等身大の女子高校生、対して東京で暮らしている彼女は、日によってウィッグや服装を変えてきらびやかにしているけれどどこか退廃的で危うさを持ち合わせている女性と、対照的。ただどちらも純粋に見えるところが広瀬の演技の素晴らしさだろう。
岩井監督らしい透明感あふれる映像美で綴られる1人の女性の物語。そこには、アイナをはじめとした若手実力派俳優の演技が光っている。ぜひ4人の繊細な演技と彼女たちが紡ぎ出す世界観に浸りたい。
文=玉置晴子
放送情報【スカパー!】
路上のルカ(全10話)
放送日時:7月28日(日) 18:30~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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