坂口健太郎の怪演に注目!「これまでのイメージをガラリと変える役」と自ら語った、岡田准一主演の映画「ヘルドッグス」
2024.6.27(木)
清涼感のある雰囲気と、大人しく優しげな声。好感度の高い風貌はもちろん、繊細な演技を見せることでも知られる俳優・坂口健太郎。演技の幅も広く、2015年のドラマ「コウノドリ」では奮闘する新生児科医を、2017年のドラマ「東京タラレバ娘」では毒舌金髪モデルを好演した。近年の活躍も目覚ましく、2022年には映画「余命10年」、2023年にはドラマ「CODE-願いの代償-」などで主演し、強い存在感を放っている。
そんな坂口が、「これまでの坂口健太郎のイメージからは想像しにくい役、イメージをがらりと変えてくれる役でした」と語ったのが、2022年公開の映画「ヘルドッグス」で演じた室岡秀喜だ。
本作の主演は岡田准一で、関東最大の広域暴力団・東鞘会に潜入した捜査官・兼高昭吾役を演じる。坂口が演じる室岡は、兼高とともに闇の仕事をこなす相棒的存在。感情を抑えられなくなることがあるサイコパスで、物語の中では"サイコボーイ"と呼ばれることもある。
物語の冒頭では、兼高の潜入の経緯が語られる。かつて新宿の警官だった兼高は、管内で起きた強盗殺人事件の犯人を追い込み、私刑を加えた。そんな兼高の獰猛さに目をつけた警視庁が彼を東鞘会に潜入させるのだが、その時、最初に接近するよう指示したのが東鞘会の殺し屋集団「ヘルドッグス」にいた室岡だった。
(c) 2022「ヘルドッグス」製作委員会
そして1年後、2人が徒歩で移動するシーンが映し出される。室岡は頭はボサボサ、おにぎりを食べながら歩いていて、「アニキもおにぎり食います?」とごく自然に、気さくに話しかける。「あーしんどい!」「今日はガッツリ決めてえっす」といったセリフもあり、どこかチャラくていい加減な雰囲気が漂っている。
しかし、武術の訓練をするシーンでは素直な印象で、兼高の指導を熱心に受けたりもする。そんなシーンからは、室岡が兼高を慕っていること、また2人のコンビの相性の良さも伝わってくる。寡黙で常に冷静な兼高と、空気が読めずつい余計なことを言ってしまう室岡の対比も絶妙だ。
物語当初の室岡は、ちょっと妙だがどこかにいそうなお兄さんといった感じだが、要所でサイコパスらしさが顔を出す。ミッションを終えて遺体を若い衆に引き渡す時にはハイになっているし、暗闇で一瞬、恐ろしい表情も見せたりもする。また、幼馴染の杏南が親の話をした時には、幼い頃の虐待がトラウマとなっているせいか、張り詰めたような空気を放つ。
物語が進むにつれ、室岡はさまざまな表情を見せ、心の底に横たわる闇もあらわになってくる。東鞘会トップの十朱義孝(MIYAVI)を狙う女殺し屋との立ち回りではいたぶるように微笑んだり、かと思うと武装集団との戦いでは「あと1人、あと1人...」と呟くなど、極度に緊張している様子もうかがえる。
そして終盤、兼高は十朱の秘書となることが決まり、室岡とのコンビは解消されてしまう。そう聞かされた時の室岡は、シーンとしては短いが、呆然とした様子が伝わってくる。またその後、インテリヤクザの三神國也に対して制御が効かなくなる様はまさにサイコパスだし、トラブルを起こした後、心から信頼している兼高に泣きながら本音を語るシーンでは、室岡という人物の悲哀が伝わってくる。
坂口自身のコメントにある通り、室岡秀喜はある種異様な人物で、それを演じきった坂口の役作りと演技力はさすがという他ない。これまでのイメージと違うからこそ、印象深いキャラクターとなっているし、その危うい魅力にどんどん引き込まれてしまうのだ。
映画「ヘルドッグス」は7月18日(木)にWOWOWで放送予定。第46回日本アカデミー賞で優秀助演男優賞を受賞した坂口健太郎の本作での演技を、この機会にぜひ味わってほしい。
文=堀慎二郎
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