15歳の三上博史がデビューを果たした映画「草迷宮」寺山修司の世界観に浸る
2024.6.5(水)

若干15歳だった三上博史の俳優デビュー作となる映画「草迷宮」が、6月12日(水)ほかに衛星劇場で放送される。
監督・脚本を務めたのは、1983年に亡くなった寺山修司である。寺山は、映画監督、歌人、エッセイスト、演出家、写真家、脚本家と各ジャンルで多彩な才能を発揮。当時から「こうでなければならない」をとっぱらい、ダイバーシティを尊重する現代の考え方に通ずる活動を行ってきた。彼の発表する作品は前衛的なものも多く、今もなお寺山を敬愛する人も少なくない。
そんな「寺山の世界」に浸れるのが「草迷宮」である。
青年・あきらは、亡くなった母親が歌っていた手鞠歌の歌詞を求めて旅をしている。小学校や寺に行って聞いて回るが、誰もその内容を知らなかった。旅をしながら少年時代を思い出すあきら――。ある日、少年あきらは、土蔵に住む千代女という女に裸にされ襲われそうになった。母からは近づかないように、と言われたが、興味本位で土蔵に向かうと...。
本作は、当時としては(現在もだが)、革新的だったであろうシュールな展開で、寺山が構築した世界観に視聴者がお邪魔しているような...そんな幻想的な映像が続く。音楽も物語も奇奇怪怪。説明すること自体が野暮なのか?とにかくアバンギャルドで、固定観念を「覆す」もしくは「破壊してくれる」映画である。

(C)紀伊國屋書店
本作にて三上は、旅する青年・あきらの少年時代を演じている。三上と言えば、映画「私をスキーに連れてって」、ドラマ「君の瞳をタイホする!」などに出演し、トレンディドラマの代表格として名を馳せた。年齢を重ねてからは、大河ドラマ「平清盛」鳥羽上皇/法皇役、福山雅治主演のドラマ「集団左遷!!」の銀行の常務取締役である横山輝生役など、主役はもちろん、名バイプレイヤーとしても活躍している。
独特な大人の色気を放ち、唯一無二の演技を見せている現在とは打って変わって、「草迷宮」には、15歳の美少年がそこにいる。15歳といえば、まさに大人への階段を登っている真っ最中だ。あきらを演じている三上は、精悍な顔つきで坊主頭。確かにあどけなさは残っているが、ふと見せる凛々しい表情は大人そのものである。
デビュー作で前衛的な寺山作品と対峙するのは、とても困難なことだっただろう。しかし、三上の演技は幻想的な「草迷宮」の作風にマッチし、物語に馴染んでいた。本作を見ていると、もうこのときからすでに「俳優・三上博史」は完成されていたのかもしれない、とすら思う。
「草迷宮」について語る際、三上が裸になる体当たりのシーン、異界に紛れ込んだあきらが妖怪と対峙するラストに向けた畳みかけなど、インパクトある場面が取り上げられがちだが、俳優として芽吹く三上の演技も見どころのひとつ。ぜひ、「寺山修司×三上博史」の化学反応を体感してほしい。
文=浜瀬将樹
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