古川琴音が儚げな雰囲気と溢れる透明感で主人公の魅力を体現!濱口竜介監督によるオムニバス映画「偶然と想像」
2024.5.31(金)

少女と大人の女性の狭間を揺れ動いているような、儚げな雰囲気で注目を集める俳優・古川琴音。NHK連続テレビ小説「エール」、NHK大河ドラマ「どうする家康」などの話題作でも、彼女が放つ独特の存在感は、多くの視聴者の視線を釘付けにした。6月28日(金)には、恋愛映画で初ヒロインに挑戦した「言えない秘密」の公開も控えているなど、今後も数々の映画への出演が予定されている古川。そんな彼女の出世作とも呼べるのが、「ドライブ・マイ・カー」「悪は存在しない」などで世界的評価を得ている濱口竜介監督が2021年に発表したオムニバス映画「偶然と想像」だ。
撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子(古川)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、1人車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は──。
第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)に輝いた本作は、3つの短編で構成されている。古川は冒頭を飾る第1話「魔法(よりもっと不確か)」で、小悪魔的魅力を放つファッションモデル・芽衣子を演じている。無造作にカットしたボブヘアに素顔と見紛うほどの薄化粧。ナチュラルな美しさと少女のような純真無垢さを合わせ持つ芽衣子を自然体で表現している古川は、その魅力の1つでもある透明感溢れる美声をタクシー内での会話劇より披露していく。

(C)2021 NEOPA / Fictive
玄理演じるつぐみが、運命的に出会った男性と過ごした時間で感じたときめきを、輝くような笑顔を浮かべて話しているのを微笑みながら聞いていた芽衣子。「インテリアデザイナー」「青山にオフィス兼自宅を構えている」「小さい頃から引っ越しばかり」「2年くらい前に元カノの浮気で別れた」と、つぐみから聞かされる相手の男性の輪郭が明確になるに連れ、つぐみに注がれていた視線は宙を泳ぎ、表情も少しずつ固くなっていく。目の前のつぐみには悟られないほどの微妙な変化で、芽衣子の心の中に何かが芽生え、大きくなっていく様を、古川は一切声に影響を与えることなく、表情だけで見事に演じてみせた。
マンションに着いたつぐみがタクシーから降りた後、芽衣子は、運転手に今来た道を引き返させて、青山のとあるオフィスへ。そこにはつぐみが魔法のような時間を過ごした相手でもある、芽衣子の元カレ・和明がいた。ここから始まる中島とのヒリヒリとした会話劇では、古川は淡々とした口調ながら、芽衣子という人物の自由奔放さを遺憾なく表現。自分の感情に嘘がつけず、わがままで、和明を振り回しては傷つけてきた...。そんな2人のかつての関係が容易に想像できる鋭い言葉の数々で、和明の心を切り刻んでいく。だが、和明はもちろん、視聴者すらも芽衣子を憎むことができないのは、ガラス細工を思わせる古川の儚げな声と無邪気な子どものような存在感のなせる技といえるだろう。
つぐみ役の玄理、和明役の中島も、ナチュラルな演技で物語に圧倒的なリアリティを与えた本編。歪な三角形を描く彼らの関係に、芽衣子がどのような答えを出すのか。古川の卓越した演技に注目しながら、物語の結末を見届けてほしい。
文=中村実香
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