江口洋介が無愛想ながらも信念を持った医者を演じた、ドラマ「赤ひげ」
2024.5.18(土)
ドラマ「赤ひげ」(2002年)が、6月17日(月)に時代劇専門チャンネルで放送される。原作は山本周五郎の小説「赤ひげ診療譚」で、映画にテレビドラマと何度も映像化されてきた。中でも、三船敏郎と加山雄三を主演とする1965年の映画は、巨匠・黒澤明の傑作の一つとして知られる。2002年のテレビドラマ版は、その黒澤映画の完全リメイクとなる。
時は幕末、幕府の御目見医を目指し長崎で蘭方医学を学んだ青年・保本登が、江戸に帰ってきた。貧しい庶民のための医療施設・小石川養生所で見習いとして働くことになった保本は、無愛想で横暴な医長の"赤ひげ"こと新出去定に反発する。しかし、養生所で働く人や患者たちと接するうちに、赤ひげの人間性に惹かれ、医者としての生き方を学び成長していく。幕末を舞台に、生命とは何かをもう一度見つめ直す感動のヒューマンドラマだ。
本作の主演には、江口洋介が起用された。1986年に俳優デビューした江口は、「東京ラブストーリー」(1991年)をはじめとする90年代のトレンディドラマに多数出演して人気を確立。1993年の大ヒット作「ひとつ屋根の下」のあんちゃん、1999年からの「救命病棟24時」シリーズの進藤先生など、過去に演じてきた役柄も未だ強い印象を残す。人情味溢れる頼れる兄貴分に孤高の天才外科医、全く異なる役のイメージを持つ稀有な俳優の一人と言えるだろう。

本作で演じるのは、江戸庶民に無料で医療行為を行なうことを目的とする小石川養生所で、医長を務める"赤ひげ"。呼び名通りのひげをたくわえたベテラン医師で、腕は良いがやることが極端かつ自分の考え方を曲げない男だ。医者たちは畳もない環境で貧民を相手に昼も夜もこき使われる。伊藤英明演じる保本も最初は反発し、赤ひげを怒らせて出ていけと言わせようとする。しかし、今できることは病気の原因となる貧困と無知に対する戦いだと、医術の不足を補おうと奮闘する赤ひげの姿に少しずつ心を動かされていく。鋭い眼光と厳しい言葉の奥に、人を思う優しさが滲む。無愛想で横暴だが、その真っ直ぐさに誇りと揺るぎない信念を感じさせる。不器用だが人間の尊厳を知る医者としての生き方を全うする赤ひげを、江口が魅力的に演じた。
江口や伊藤を筆頭に、松下由樹、宮沢りえ、八千草薫、浅野ゆう子、小林薫、山口美也子、石橋蓮司、平田満、小野武彦、神山繁ら豪華キャストが多数出演し、様々なエピソードが綴られていく。真面目な若き研修医・半太夫役の山田孝之や療養所に引き取られた孤独な少女・おとよ役の鈴木杏ら若手実力派の好演も光る。おとよが赤ひげと保本によって心を開き、人のために懸命になれるほどに成長していくエピソードも印象的だ。

本作から20年以上経った今も俳優として第一線を走り続ける江口。近年でも「コンフィデンスマンJP」や「るろうに剣心」といった大ヒットシリーズに出演。今年5月31日(金)には主人公たちを見守る教師を演じる映画「からかい上手の高木さん」が公開を控えるなど、出演作は途切れることがない。年齢を重ねても変わらぬ飾らないかっこよさ。"赤ひげ"しかり、ぶっきらぼうに見えて内に情熱を秘め、己の信念を貫く男は、江口のハマり役だ。
文=中川菜都美
放送情報【スカパー!】
赤ひげ(主演:江口洋介)
放送日時:6月17日(月)23:00~
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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