万城目学の独特の世界観を堤真一、綾瀬はるか、岡田将生がが見事に表現した「プリンセス トヨトミ」
2024.4.16(火)
堤真一、綾瀬はるか、岡田将生という、現在の日本映画界ではなくてはならない存在の俳優たちがメインキャストとしてスクリーンに登場する映画「プリンセス トヨトミ」。「鹿男あをによし」、「鴨川ホルモー」と関西三部作と呼ばれた万城目学のベストセラー小説を元に、映像ならではの大胆な改変も大きな話題を呼んだ。
堤演じる"鬼の松平"と呼ばれる超エリート会計検査院の調査官、松平の部下である"ミラクル鳥居"役の綾瀬はるか、鳥居の後輩であるクールなイケメン調査官・旭ゲンズブール役の岡田。この3人が、謎多き財団法人「OJO」の調査を開始すると、とんでもない歴史的事実に直面する...という物語だ。
(C)2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝
ストーリーの骨子は、1615年の大坂夏の陣で滅亡したと思われた豊臣家の末裔が、後にも生き残っていて、その系譜をしっかり守ろうとする組織として、秘密裏に独立した「大阪国」が存在。そこにまつわる人々の思いが描かれる......というもの。
パッケージングは「壮大な歴史ミステリー」と銘打たれているが、そこは情緒あふれる芝居が得意な堤が主演。"鬼の松平"などという仰々しいキャッチフレーズの役柄を演じているが、しっかりと人情をしみ込ませているので、謎の部分よりもヒューマンストーリーとしての比重が大きい。
さらに近年はアクション女優という地位も確立している綾瀬が、コミカルな部分を担当し、作品の弛緩剤となっている。岡田演じるゲンズブールが常に「何で鳥居さんと組んでいるんですか?」と松平に問いかけるように、超切れ者である松平のパートナーとしてはあまりにも頼りない鳥居だが、綾瀬ならではのチャーミングさで、コンビとしての説得力を持たせている。
圧倒的なビジュアルを持つ岡田は、その容姿を活かした役ばかりではなく、数々の作品で癖のある役を好演してきているが、本作でも、やや鼻持ちならないクールさを持ちつつも、堤や綾瀬との間で絶妙なハブになるような芝居を見せている。
(C)2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝
堤、綾瀬、監督の鈴木雅之のトリオは5年後に公開された「本能寺ホテル」でもタッグを組んでいるが、岡田を加えた3人の俳優たちのやり取りだけで、物語を展開させることができる相性の良さを感じる。
上記3人以外にも、豪華俳優陣が出演していることにも触れたい。松平と相対する中井貴一演じる真田幸一。豊臣家にまつわる話で「真田」という名前からして、どんな役割であるかは想像できるが、堤と正面から対峙するシーンの目力の強さはポップな作品を締める存在感だった。
また綾瀬扮する鳥居が、大阪城公園のベンチで食べているたこ焼きを作っていたのが、玉木宏だ。すでに主演俳優として確固たる地位を築いていた玉木だが、本作では"気のいいたこ焼き屋のあんちゃん"としてカメオ出演している。玉木と綾瀬は鈴木監督が演出を務めた2008年のドラマ「鹿男あをによし」で主演、ヒロインとして共演した関係性。そんな遊び心も楽しめる。物語のカギを握る少女・橋場茶子役の沢木ルカの瑞々しい演技、セーラー服をけれんみなく着こなす森永悠希にも注目だ。
文=磯部正和
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