多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演という新スタイルで挑んだ、ドラマ「いちばんすきな花」
2024.3.19(火)
男女の間に友情は成立するのか。簡単にイエスかノーを出せない、永遠のテーマの一つとも言える。そんな難題をテーマにしたドラマが「いちばんすきな花」(2023年)だ。

本作は、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す友情と恋愛、そこで生まれるどちらとも違う感情を丁寧に描く物語。潮ゆくえ、春木椿、深雪夜々、佐藤紅葉という別々の人生を送ってきた4人は、それぞれの日常の中で友情や恋愛にまつわる人間関係の難しさに直面してしまう。年齢も性別も育ってきた環境も全く違う彼らだが、偶然とある住宅で顔を合わせる。境遇だけでなく考え方も全く違うものの、ふとした出来事を機に巡り会い、友情と恋愛というテーマに自然と向き合っていくことになる。社会現象を起こした2022年のドラマ「silent」の村瀬健プロデューサーと脚本家・生方美久が再びタッグを組み、クアトロ主演という新しいスタイルにも挑んだ。主演には、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠と経歴も年代も異なる俳優陣が起用された。
多部は、新潟から上京し塾講師として働く34歳の女性・ゆくえを演じた。真面目で努力家ゆえに「がんばると嫌われる」ことも知っている彼女は、なかなか人に本音を言えずにいる。幼い頃から二人組を作ることが苦手だったと感じているが、恋愛関係に発展することもなく唯一心を許せた男友達・赤田がいた。しかし、結婚を機に「もう会えない」と告げられ、友情関係はあっけなく終わりを迎えてしまう。どこにでもいる1人の女性を、多部は自然体で演じている。赤田との気心知れた掛け合いは微笑ましく、それゆえに失われた時の深い悲しみが伝わる。人と違う視点から物事を見る冷静さ、目配せや言葉一つに感じる優しさを併せ持つゆくえの生きてきた道や心の動きを丁寧に表現する。その姿は自然と共感を抱かせた。

出版社に勤める36歳の会社員・椿は、松下が演じた。子供の頃から二人組になれなかった椿だが、長年付き合っている純恋との結婚を控えていた。新居での新生活をスタートしようとしていた矢先に、純恋を彼女の男友達に奪われてしまい「男女の間に友情なんて芽生えるはずがない」ということを思い知らされる。いい人と思われている自分を「めんどくさいことを避けてきた結果でしかない」と思いながらも、いい人感が漂う椿は松下にぴたりとハマる。懸命に考え、相手を見つめ、優しい声で紡がれる言葉は温もりを生みだす。"花の匂いのする部室"と表現される彼の家は、椿の人となりそのものだ。

また、今田は26歳の美容師・夜々に、神尾は27歳でイラストレーターの夢を追うコンビニ店員・紅葉に起用された。夜々は過去の経験から「1対1で人と向き合うのが怖い」という思いを、一方の紅葉は「1対1で向き合ってくれる人がいなかった」という思いを抱えている。可憐な見た目とは裏腹に真っ直ぐさと強さを持つ夜々は、今田が生き生きと存在感たっぷりに演じる。自分のためにも友達のためにも怒ることができる振り切った姿もかっこよく眩しい。神尾は、人と表面的にしか関われずに過ごしてきてしまった紅葉を好演した。自分の薄っぺらさに気付きつつ葛藤する青年の切ない心情も、心を開いていく様も繊細に表現し、愛すべき青年を等身大で演じた。
偶然に出会い、交流を深めていく4人。自分が抱えていた気持ちを打ち明け、そして優しく受け止める。椿の家で食卓を囲み、お菓子をみんなで配り合い、食事を共にする。考え方も生き方も違うけれど、なんでもない会話やソファでくつろぐ姿にも優しさと愛が詰まっている。主演の4人だけでなく、ゆくえの元トモ・赤田役の仲野太賀や椿の元恋人・純恋役の臼田あさ美、共通の知人である美鳥を演じた田中麗奈など、絶妙なキャスティングも光る。それぞれに思いを抱えながらも優しく温かな物語を生きる彼らに、そっと救われた気持ちになった。
文=中川菜都美
放送情報【スカパー!】
いちばんすきな花
放送日時:4月15日(月)12:10~
放送チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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