木村佳乃が迫る恐怖に抗いつつ、家族を守る女性を演じたミステリー「魔術はささやく」
2024.3.6(水)
直木賞をはじめとした数々の文学賞に輝いてきた、日本を代表するミステリー作家・宮部みゆき。これまで「火車」「理由」「模倣犯」「ソロモンの偽証」など、数多くの小説が映画化、ドラマ化されているが、そんな彼女が1989年に刊行した「魔術はささやく」は初期の最高傑作と名高い。2011年には木村佳乃、中村蒼、小池栄子、谷村美月、大杉漣、松重豊、加藤治子、原田美枝子、奥田瑛二ら豪華キャスト陣によってドラマ化されている。
本作の主人公は、元介護士で、現在は書店の店長をしている高木和子(木村)。彼女には15年前に生き別れた弟の守(中村)がいたが、守は和子の存在を知らない。それでも守のことを命よりも大切な存在として心に思ってきた和子だが、自分が姉であることを名乗り出ることはできずにいた。それは彼女が過去に犯してしまった、刑事裁判にはならない"ある罪"に対する懺悔の思いからだった。
しかし、そんな彼女の周囲に何者かの影が迫っていた。一人目は赤信号で車道に飛び出して死亡。二人目は誘われるように地下鉄に飛び込んで死亡。そして三人目は結婚式当日に飛び降り自殺を図った。この三人には共通点があった。かつて和子とともに"ある大罪"を犯してしまった和子の仲間だったのだ。これは偶然ではない。"魔術"を使って相手を錯乱させ、死に至らしめる犯人がいる。そしてその犯人はわたしに復讐しようとしている。次はわたしだ!死の魔術は、ついに和子の耳元で囁かれようとしていた。人間を自由にあやつり、死をもたらす"魔術師"の正体とは?

宮部原作の2002年映画「模倣犯」に出演したこともあった木村は、もともと宮部作品の愛読者であり、大ファンだったという。それゆえに本作の出演が決まり、「本当にうれしい」と大喜びだったという。そして監督は、「まぶだち」や「ロボコン」、そして間もなく新作映画「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」も公開される古厩智之が担当。モニターを見ずに、役者のそばで芝居に寄り添う古厩監督の演出に、木村も現場で全幅の信頼を寄せていたという。また脚本は、木村も出演したドラマ「名前をなくした女神」や、後に「べっぴんさん」「これは経費で落ちません!」などを手掛けることになる渡辺千穂が担当した。

本ドラマは2011年2月の、雪が降ることもある寒い時期に撮影。木村にとっては第1子の産休前に出演した最後のドラマとして当時の新聞をにぎわせた。また木村が命をかけて守ろうとする弟・守を、「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~」で注目を集めたばかりの中村が担当。そんな中村との共演を木村は「すごくかわいいお顔立ちと相反する男らしい内面を持っていて。弟役だけど頼もしく、お芝居に関してもすばらしかった」と振り返っていた。
先の読めないミステリー仕立てながらも、そこに描かれているのは、木村や中村によるせつなくも温かな家族のきずなであり、まさに宮部作品ならではの深い感動がある作品となっている。
文=壬生智裕
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