連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインを演じる伊藤沙莉が、主演映画「獣道」で見せた変幻自在な演技!
2024.2.29(木)

4月1日(月)から放送がスタートする連続テレビ小説「虎に翼」でヒロイン・猪爪寅子を演じる女優の伊藤沙莉。数々の作品で個性的なキャラクターから、市井の人をリアルに演じるなど、いまや日本の映像界には切っても切り離せない女優として大活躍している。そんな彼女が強烈なインパクトを残したのが、2017年7月に公開された映画「獣道」だ。
メガホンをとったのは、後に「ミッドナイトスワン」で、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞をはじめ、国内外で数々の賞を受賞した内田英治監督。伊藤はこの後、内田監督とNetflixシリーズ「全裸監督」や「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」でもタッグを組んでいる。
「獣道」は、内田監督が地方都市に住む男女の実話を元に描いたオリジナルストーリー。宗教にハマる母親によって7年間世間から隔離されて育った愛衣(伊藤)が、教団が摘発されたことにより保護。中学校に通い始めるものの、あまりにも世間とかけ離れていた生活を送っていた愛衣は、まったく馴染むことができず、ハードな環境のなか、自分の居場所を探し求め彷徨うなか、愛衣と同じく居場所を求めていた亮太(須賀健太)と出会い懸命に生きていくことになる。
愛情を知らない愛衣は、ただ愛されたいという思いだけで居場所を探すが、風俗や半グレ集団、ヤクザなどハードな世界は、そんな彼女に容赦はしない。宗教施設から世の中にポンと放り出されたときは、なにも知らない無防備な愛衣が、生活保護で生きるヤンキー一家と出会い、自らもヤンキーに。さらにサラリーマン家庭では、完璧な優等生を演じたかと思えば、その後は風俗嬢になり、最後にはAV女優の道に足を踏み入れる。
純真無垢な少女から金髪ヤンキーまで、劇中で見せる愛衣の表情や佇まいはまるで別人であるが「愛されたい」という強い思いはブレていない。どんな状況になっても愛を欲する思いが、分かりやすくではなく、にじみ出てくるのだ。実話に基づいた話とはいえ、ややファンタジックな設定の物語に「でも、こういう娘いそうだよね」と思わせるのが伊藤の女優としての魅力だ。
「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」のインタビューの際、「獣道」の撮影を振り返り「内田監督は、こなれた芝居やウソの芝居をすると全部見透かされてしまう」と語っていた。言い換えれば「テクニックで役を演じる」ことは通用しない。キャラクターとしてそこに佇むことが至上命題となる。
その意味では「獣道」で愛衣が過ごしてきた日々は、まるでドキュメンタリーフィルムを観ているような生々しさがある。そこには伊藤の役に憑依する天性の勘の良さはもちろん、ブレることなく内田監督と同じゴールを観ることができる相性の良さがあるのかもしれない。
4月から放送がスタートする連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインを務める伊藤にとって、朝ドラは、2017年放送の「ひよっこ」以来2度目の出演となる。「ひよっこ」のオーディションは金髪で参加していたという。放送時期から、「獣道」の撮影時に受けたものだと思われるが、「ひよっこ」で演じた米屋の娘・さおり(通称・米子)役も伊藤の名を世に広めた。その意味で「獣道」は伊藤にとっては、非常に重要な作品であると言えるだろう。
文=磯部正和
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