天海祐希が危うげな女性を演じた、映画「柔らかな頬」
2024.2.24(土)
宝塚歌劇団退団後、セカンドキャリアに踏み出し、2004年にドラマ「離婚弁護士」で大ブレイクを果たした天海祐希。20年以上第一線で活躍し続けるトップ女優の天海が、30代前半に主演を務めた2001年制作の映画3月15日(金)に日本映画専門チャンネルで放送される「柔らかな頬」だ。原作は第121回直木賞を受賞した桐野夏生による同名小説で、メガホンをとったのは「ロックよ、静かに流れよ」、「8月のクリスマス」などで知られる長崎俊一。デジタルBS局・BS―iのデジタル・ハイビジョン・ドラマとして制作され、「ハイブリッド・ムービー2001」の中で公開された今では滅多に見ることができないレアな作品だ。
天海が演じているのは北海道の寒村に生まれ育ち、デザイナーに憧れ、10代の時に家出した女性・カスミ。「私の目的は東京で生き抜いていくこと」と故郷にも帰らなかった彼女は小さな印刷会社の経営者・森脇(渡辺いっけい)と結婚し、2人の娘の母親となるが、夫の取引先に勤める石山(三浦友和)と不倫関係に陥り、我を失うほどの恋に身を焦がす。自分の中にある衝動を抑えられず、やがて人生の迷路から抜け出せなくなっていくカスミという、今の天海からは想像もつかない翳りのある女性を演じている。
■天海は、母より女を選択したゆえに堕ちていく、孤独と向き合う主人公を演じる

夫に内緒で石山との不倫関係を続け、ある時2人は石山が買った北海道の別荘に家族同士で旅行に行く計画を立てる。石山の妻にも関係を疑われている中、カスミと石山は隙をみて別荘の中で肌を重ね、「子供たちを捨ててもいい」と呟く。その直後に起こるのが長女・有香の失踪事件だ。5歳の娘がそんなに遠くに行くわけはないと思われ、周辺を捜索するものの捜査はいっこうに進まず、事件から4年の月日が流れてもカスミの中の時間は止まったまま。夫からは愛想をつかされ、事件の関係者も毎月、電話をかけてくるカスミに閉口している。石山も行方不明になり、連絡が取れない中、カスミは東京から離れ、北海道に娘を探しに行くことを決意。罪の意識に苛まれながらも、女性であることを捨てきれないカスミの未成熟な危なっかしさ、孤独を表現した天海の演技に吸い込まれていく。
■元刑事・内海(松岡俊介)との旅先での出会いがカスミを変える

カスミの中の時計の針が少しずつ動き出していくキッカケとなったのが元刑事で余命いくばくもない内海(松岡)との出会いだ。事件に興味を持った内海は、カスミと毎日車を走らせ、別荘を訪ね、有香失踪の手がかりを追い、札幌で暮らしていた石山とも再会する。ミステリーでありながら、テーマは"旅"なのではないだろうか?と思わせるのが本作。内海の車の中ではブルースが流れ、広大な北海道の道を走っていくシーンはロードムービーを思わせるし、故郷を捨て、娘を失ったカスミが自分自身に向き合い、もがきながら生きていく様も人生の"旅"を想起させる。北海道の冬の厳しい自然の中、何かを決意したような天海の美しい横顔が余韻を残す映画だ。
文=山本弘子
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