有村架純が不思議な包容力を見事に表現!魅力的なヒロイン像をナチュラルに演じた映画「ちひろさん」
2024.2.9(金)
ドラマや映画、舞台などあらゆる作品で、観客の心に残るキャラクターを演じ続けている有村架純。安田弘之の同名漫画を実写映画化した「ちひろさん」(2023年)では、元風俗嬢の主人公・ちひろさんを好演。ちひろさんの不思議な包容力と、人との絶妙な距離感を体現し、また一つ、新たな代表作を生み出した。
劇場公開時にはNetflixで同時配信されたことも話題となった本作は、かつては売れっ子の風俗嬢で、今は海辺の小さな町にある弁当屋で働くちひろさんが、心に傷や悩みを抱えてうまく生きることができない人々と交流していく姿を描く人間ドラマ。「アイネクライネナハトムジーク」(2019年)や「愛がなんだ」(2019年)、「窓辺にて」(2022年)など、恋愛群像劇の名手と呼ばれる今泉力哉監督がメガホンを取り、ちひろさんの周辺の人々が抱える複雑な感情までを浮き彫りにした。
(C)2023 Asmik Ace, Inc. (C)安田弘之(秋田書店)2014
有村が演じたちひろさんはなんとも魅力的な女性だ。四つん這いになって猫のマダムさんに挨拶をしたり、元風俗嬢という過去も軽やかに周囲に伝え、誰にどう見られるかも気にしない。どこまでもマイペースで、ひょうひょうと毎日を生きている。子供も大人も、ホームレスもシングルマザーも、ちひろさんはどんな人とも分け隔てなく接し、そんな彼女の元には孤独を抱えた人々が吸い寄せられるように集まっていく。そしてちひろさんは、相談事を受けたとしても「これが正解」というものを押し付けることはない。
例えば、家族との関係に悩み、自分の気持ちを上手く表現できない女子高生のオカジ(豊嶋花)と対峙する場面でも、ちひろさんはそっと彼女のそばに寄り添っていた。そうやってちひろさんは、時には彼らとご飯を食べ、ささやかな言葉を交わしながら、それぞれの孤独と向き合い進んでいけるように背中を押していくのだ。
(C)2023 Asmik Ace, Inc. (C)安田弘之(秋田書店)2014
見ているこちらも、ちひろさんの温度感や距離感がとても心地が良く、彼女の世界観にどんどん引き寄せられていく。それは有村が、ちひろさんの不思議な包容力と、絶妙な距離感を見事に表現していたからに他ならない。人間は孤独なものだと知り、そんなちひろさんの元に集まる人々の交流を見ていると、何故だかじんわりと涙がこぼれてきてしまうという人も多いのではないだろうか。
あらゆる場面で、丁寧に一つ一つ言葉を紡ぐ有村を目にするたびに、どこまでも誠実で真面目な人だと感じるが、ちひろさんという役との相性の良さも感じさせる。ふわりと楽しそうに笑う表情。そして温かさを感じるのに、どこまで追いかけても捕まえることができないようなミステリアス性。有村の表現する"光と影"を感じられる作品としても、ぜひオススメしたい1作だ。
文=成田おり枝
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