本田美奈子.の唯一の出演映画「パッセンジャー 過ぎ去りし日々」に見る、表現者としての偉大さ
2024.1.28(日)
歌に愛され、歌に生きた永遠の歌姫、本田美奈子.。2005年に38歳という若さで惜しまれつつこの世を去るも、その歌声は世代を超えて愛され、今もなお多くの人々を魅了して止まない。中山美穂、南野陽子、斉藤由貴、大西結花、浅香唯など後にトップアイドルとなる面々が名を連ねるアイドル大豊作の1985年にアイドル歌手としてデビューし、4枚目のシングル「Temptation(誘惑)」をヒットさせて、同年数多くの新人賞を受賞した本田は、1986年には代表曲となる「1986年のマリリン」を大ヒットさせ、トップアーティストとしての地位を確立した。その後、ミュージカルでも活躍し、歌手としてだけでなく女優としての才能を花開かせた。
(C)株式会社ジャパン・オーディオビジュアルネットワーク・松竹株式会社
本田の魅力といえば他に類を見ない歌唱力が一番に挙げられるが、実は表現力が驚異的でステージ上では華奢な体が何倍にも大きく見えるほどの存在感がある。ミュージカル界での活躍からも容易に想像できるが、高レベルな歌唱、演技を増幅させる表現力こそが群を抜いているのだ。そんな彼女の表現力が堪能できる作品が、映画「パッセンジャー 過ぎ去りし日々」(1987年)だろう。
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同作は、本田が出演した唯一の映画作品で、女優業を始めるきっかけとなった作品といえる。バイクレーサーの兄とロックシンガーの妹が過酷な青春の中で支え合いながら互いの夢を実現させていく物語で、本田は人気ロックシンガーの立木美奈を演じている。
ロックシンガー役というところで歌唱シーンやコンサートシーンなどもあり、本田の魅力が存分に盛り込まれた作品となっているのだが、ほぼ初めてであろう演技もなかなかどうして素晴らしい。アーティストとして"観る者に対する表現する力"が突出しているためか、役への感情移入や感情表現が違和感なくできており、観る者をしっかりと作品の世界に没入させてくれる。この歌唱にも通ずる"表現力"こそが彼女の演技の礎となっており、数々の困難に遭遇しながらも懸命に生きる姿や恋に落ちて恋に悩む瞬間を瑞々しく演じている。
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早くに両親をなくし、男手一つで育ててくれた兄・良介(三田村邦彦)を応援する気持ち、シンガーとして叶えたい夢に向かう真っ直ぐな気持ち、兄のライバル・岩下徹(宇梶剛士)との恋愛感情など、さまざまな悩みや葛藤を抱きながらも全てを抱えて強い気持ちでステージに立って歌う姿は感動を禁じ得ない。
当時、アイドル歌手として人気絶頂だった本田の、歌手としての魅力が垣間見える歌唱シーンだけでなく、歌唱にも通ずる表現力に裏打ちされた演技を観て、彼女の"表現者"としての偉大さを感じてほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
パッセンジャー 過ぎ去りし日々
放送日時:2024年2月1日(木)8:30~
放送チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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