型破りな医師を演じる中村雅俊を堪能できる、映画「凍河」
2024.1.25(木)
2024年に芸能活動50周年を迎える俳優の中村雅俊。これまで映画、ドラマへの出演は枚挙にいとまがないが、1976年に公開された映画「凍河」は、いろいろな意味で中村にとっては語りどころの多い作品となっている。
(C)1976松竹株式会社
本作は、五木寛之の同名小説を斎藤耕一監督で映画化。中村は横浜にある精神病院・和親会病院にやってきた若手医師・竜野努を演じる。竜野は愛車のバイクBSAゴールドスターを颯爽と乗りこなし、白衣を着ていなければ医者だとは分からないような型破りな医師だ。
劇中でも、長い髪をなびかせ登場する姿は、1970年代に一般的に感じられていた"精神病院"という閉鎖的な世界や診察方針などを一掃するような雰囲気である。
その精神病院で竜野が出会ったのが、長く病院に入院している五十嵐淳子演じる阿里葉子。葉子には過去に大きなトラウマがあり、病気は全治しているという診断のなか、多くの病院スタッフが彼女を腫れ物に触るように扱う。しかし竜野だけは、彼女に対してグイグイと距離を詰めていく。
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本作の大きな見どころは竜野と葉子のロマンス。すべての行動に自身の意思を反映させない葉子。竜野はその神秘さに惹かれキスをするが、それすら否定も肯定もしない葉子にいら立つ。医者という立場でありつつ常識に囚われない破天荒キャラで登場した竜野が一人の女性に翻弄される姿は、何とも言えず愛らしい。
ご存じの通り、中村と五十嵐は本作公開の翌年、プライベートでも結婚を果たす。完全なる後付けの話だが、そうなることを知って作品を観ると、二人の微妙な距離感というのが何とも言えず生々しく感じられる。
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また竜野が下宿する病院長の娘・ナツキを演じているのが、いまやベテラン女優として数々の作品で強い存在感を示している原田美枝子だ。原田にとっても今年は俳優デビュー50年となる節目の年となるが、ナツキは竜野が家に来るなり、葉子のことを「悪魔」と告げ口し、竜野の心を揺さぶる。その後も竜野を翻弄していくが、当時原田が10代でこの役を演じていたと思うと、その大胆さに驚かされる。
葉子には能動的にグイグイと攻め、ナツキには受動的にタジタジになっていく竜野を演じた中村の男らしさとキュートさは、現在72歳になったいまでも垣間見ることができる。非常に人間臭いキャラクターを演じたときの中村は人の心を動かす。
もう一つ、映画冒頭と後半に友情出演として登場する竜野の兄・一郎を演じた石原裕次郎にも触れたい。1982年に52歳でこの世を去った石原にとって、本作は実写映画最後の出演作となったが、厳格でありつつ弟愛に溢れた兄を柔らかく演じている。メガホンをとった斎藤監督と懇意だった石原だが、中村にとって俳優デビュー作がドラマ「太陽にほえろ!」だったことを考えると、この組み合わせも、なかなか感慨深いものがある。
文=磯部正和
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