石原裕次郎、渡哲也、舘ひろしが織りなすド派手な刑事アクションドラマの頂点「西部警察」
2024.1.20(土)
「西部警察」といえば「爆破」が代名詞とされ、撮影で破壊した車両の総数は4,680台にも及び、総火薬使用量は4,800kg。とにかく毎回「爆破しまくり」の大迫力の画面に全国の視聴者が釘付けになった爆破シーンを中心に、ド派手な銃撃戦とカーチェイスの迫力も凄まじく、日本ドラマ史上に残る超大作シリーズとも言われている。
(C)石原音楽出版社
もちろん、本作の見どころはアクションシーンだけに留まらない。キャストとスタッフは日本テレビ系のヒット作「大都会シリーズ」のメンバーが中心で、ドラマとしても優れていた。主軸となる西部警察署の「大門軍団」のメンバーは以下の通りだ。
まずは石原裕次郎演じる木暮謙三課長。大門軍団の良き理解者にして上司であり、大門からの無理な頼みに対しても「よし、本庁に掛け合ってみよう」と、一切の責務を被る覚悟で後方支援を惜しまない。まさに理想の上司像を体現していた。石原の病気療養に伴い、劇中でも一時退場したものの、第123話で見事現場復帰を果たしている。
主人公の大門圭介(渡哲也)は、警視庁きっての荒くれ者で知られる西部署捜査課のメンバーを率いる頼もしきリーダー。サングラスがトレードマークで、愛用のソードオフ・ショットガン、レミントンM31改を携えて自ら猟犬の如く凶悪犯人達を追い詰める。硬派を絵に描いたような男で、寡黙で常に冷静。悪を決して許さぬクールな主人公はまさに渡のハマリ役で、一分の隙も無いカッコよさだ。私生活は独身で、劇画家を目指す妹・明子(古手川祐子)を大事にしている。
(C)石原音楽出版社
「タツ」こと巽総太郎刑事(舘ひろし)は、犯人を追う際に愛車のハーレーダビッドソンをノーヘルで乗り回す「昭和過ぎる」ワイルドな男。彼もサングラスを常時着用し、黒革のジャンパーに身を包み、リーゼントヘアと咥えタバコがよく似合う。味のあるベテラン俳優としてコミカルな役もこなす舘だが、当時はバリバリに尖がったアウトロー気質の俳優だった。悪を憎む気持ちは大門に負けないタツは、犯人に対しては容赦なく鉄槌を下す。いつかは自身の軍団、巽軍団を作ることを夢見ている。第16話でミスを犯して大門から謹慎処分を申し渡される姿が印象深い。
(C)石原音楽出版社
「リキさん」の愛称で呼ばれた松田猛刑事(寺尾聰)も印象深い。S&WM2944マグナムによる射撃の腕前が自慢で、スナイパーとしては大門と双璧。爆発物処理の専門家でもある。レイバン・ウィナーのサングラスを愛用し、スーツやトレンチコートも着こなすスタイリッシュな刑事だった。ちなみに当初の設定では、「タケ」の愛称だったが、寺尾自身の発案で「リキ」に変わったそうだ。ほかにも苅谷俊介演じる源田浩史刑事は、「気は優しくて力持ち」的な愛すべき脇役としてリリーズを支えた。さらに初期のレギュラーだった兼子仁刑事(五代高之)は、大門軍団中最年少。大門から鉄拳制裁を受けたり、犯人に捕らえられて麻薬中毒にされてしまうなど、散々な目に遇っていたが魅力的なキャラクターだった。
「燃える、飛ぶ、爆発する!」のキャッチフレーズで、大門軍団が凶悪犯罪に立ち向かう「西部警察」は、現在では考えられないシーンが満載。制作費も莫大な金額に上ったが、石原プロモーションがテレビ朝日と直接契約を結ぶなど、画期的な手法で制作費用を捻出したと言われる。爆破シーンだけでなく、当時だから放送できた過激かつ大胆なシーンばかりなので、今の視聴者にとっては刺激的な場面の連続。銀座、新宿、渋谷などの都心部でド派手なカーチェイスや銃撃戦をするのが売り物だったが、反対車線を暴走する映像など、今見ると「いったい、これをどうやって撮ったのだろう」と驚く。石原裕次郎、渡哲也、舘ひろし、寺尾聰ら名優たちが織りなす「撃ちまくり、壊しまくる」アクション刑事ドラマの頂点として、レジェンドになった作品は一見の価値ありだ。
文=渡辺敏樹
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