阿部寛の比類なき芝居の影響力に刮目せよ!映画「大帝の剣」の演技で吹き込む"SF伝奇"実写化の礎となる現実感
2024.1.18(木)
夢や野望に真っ直ぐ突き進む愚直なキャラクターから一癖も二癖もある濃いキャラクターまで、どのような役も"ハマリ役"として演じ切る名優・阿部寛。最近では、ドラマ「VIVANT」(2023年、TBS系)でのアクの強い公安刑事・野崎や大河ドラマ「どうする家康」(2023年、NHK総合ほか)での一筋縄ではいかない武田信玄を演じて八面六臂の活躍を見せるなど、まだまだその演技力の底が知れない俳優の一人だ。そう感じさせるのはやはり、 "クセ"がどれほど強くてもキャラクターに説得力を持たせる能力が群を抜いているからに違いない。
阿部の出演作を振り返ってみると、ドラマ「TRICK」シリーズ(2000~2014年、テレビ朝日系)での上田次郎や、ドラマ「ドラゴン桜」シリーズ(2005、2021年、TBS系)の桜木建二、ドラマ「結婚できない男」シリーズ(2006、2019年、フジテレビ系)の桑野信介、映画「テルマエ・ロマエ」シリーズ(2012、2014年)のルシウスなど、視聴者の印象に強く残る"クセ強"のキャラクターは枚挙にいとまがない。そんな中でも、1月26日(金)に時代劇専門チャンネルで放送される映画「大帝の剣」(2007年)の万源九郎はその最たるものといえる。

同作品は、夢枕獏による同名小説を堤幸彦監督が映画化したSF伝奇時代劇。江戸時代の日本を舞台に、持ち主に絶大な力をもたらすという"三種の神器"を巡り、歴史上の人物や妖怪、地球外生命体たちが壮絶な闘いを繰り広げる。阿部は"三種の神器"の一つ「大帝の剣」を持つ主人公・源九郎を演じる。

物語は、人に乗り移る地球外生命体や、人ならざる忍術を使う忍者、"三種の神器"の絶大な力など特撮作品を思わせるようなあまりにも現実離れした展開なのだが、堤監督独自のセンスとユーモアで一流のエンターテインメントに仕上がっている。そんな中で、阿部の存在感が作品に現実感を吹き込んでおり、しっかりと観る者を作品世界の中に留める効果を生んでいる。
阿部演じる源九郎は、乱暴で粗野なのだが、ピンチや予想外の展開に「おもしれー」と目を輝かせて、自ら渦中に飛び込んでいくようなキャラクターで、まさに冒険譚の主人公が物語の中からそのまま飛び出してきたよう。単純かつ分かりやすい性格で周りを巻き込みながらストーリーをぐいぐいと引っ張っていく役どころなのだが、阿部が演じることによって2Dのキャラクターが3Dに進化しているため、源九郎に引っ張られるかたちで他のキャラクターたちもリアルさを感じさせる。敵役は地球外生命体に体を乗っ取られた生物や"ほぼ妖怪"のような忍者たちなのだが、阿部から伝播する現実感によって、なぜか人間味が感じられる。つまり、どれほど作品の設定や展開にSF感が強くても阿部が作品の軸となり現実感を随所に纏わせているため説得力が保持できているのだ。このインフルエンスこそが、阿部の有する俳優としての比類なき能力といえる。
なかなかないSF伝奇時代劇だからこそ強く感じられる、その阿部の芝居のインフルエンスに注目してみてほしい。
文=原田健
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