数多くの記録を持つ大山康晴十五世名人。将棋界における年長記録を紹介
2024.1.14(日)

第31期銀河戦で、同棋戦における最年長優勝を果たした丸山忠久九段。決勝では連覇を狙う21歳の藤井聡太銀河を破り、53歳での初優勝だった。今回は将棋界における年長記録はどのようなものがあるか見ていきたい。
いわゆる年長記録と呼ばれるもののほとんどは、昭和の大棋士である大山康晴十五世名人が持っていた記録になる。これらの記録には今後、羽生善治九段をはじめとした羽生世代が挑むことになるだろう。
最年長タイトル獲得は大山の59歳。獲得したのは第31期王将戦七番勝負の防衛戦で、挑戦者は当時の最強棋士である中原誠名人。このシリーズで大山は1勝3敗から3連勝と最後の力をふり絞り、タイトル防衛を果たした。翌年の防衛戦で敗れており、その後もタイトル挑戦はするものの、最後のタイトル獲得となっている。
最年長タイトル挑戦もやはり大山で66歳。第15期棋王戦五番勝負で、結果は残念ながら0勝3敗で敗退となった。以前に年齢差の記録で1位として紹介したシリーズで、南芳一棋王(当時)との年齢差は40歳だった。なお、この時のトーナメントでは初タイトルを取る直前の羽生にも勝っている。
最年長棋戦優勝も大山で60歳の時にNHK杯戦を制している。こちらはベテラン棋士のみが出場できる達人戦が創設されたことにより、もっとも記録更新の可能性が高いと言えるだろうか(全棋士参加棋戦となると難易度は変わらないが)。

そして大山は69歳で亡くなるまで順位戦A級に在籍していた。2023年末の現役最年長棋士は70歳の青野照市九段であり、大山がいかに年齢を重ねても強かったかが分かる。
他にはひふみんこと加藤一二三九段の年長記録もなかなかにすごい。大山にこそ及ばないが、54歳でNHK杯戦優勝、62歳でA級に在籍。現役時代は息の長いトップ棋士だった。なお、50代の棋士による全棋士参加棋戦優勝は珍しく、今回の丸山はこの時の加藤以来となった。実に30年ぶりのことだ。
羽生世代は2023年度で53歳の学年だ(佐藤康光九段のみ一学年上)。羽生は今年度も王位戦で挑戦者決定戦に進出するなど、まだまだタイトル挑戦争いに加わっている。ただ、タイトルホルダーは無敗の藤井聡太竜王・名人であり、番勝負で勝つとなると大変だろう。羽生世代が大山の持つ年長記録に挑むのはまだ先のことになるが、還暦を迎えても活躍する姿を見せてくれることを期待したい。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
第31期 銀河戦 決勝トーナメント 2回戦 第1局 丸山忠久九段 vs 渡辺 明九段
放送日時:1月20日(土)0:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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