吉高由里子と仲間由紀恵の緊迫感溢れる演技に引き込まれる、連続テレビ小説 「花子とアン」
2024.1.10(水)
2024年1月からスタートした大河ドラマ「光る君へ」で、紫式部役を演じている吉高由里子。そんな吉高が初めてNHK連続テレビ小説で主演を務めたのが「花子とアン」だ。「赤毛のアン」の翻訳家・村岡花子の半生を描いた本作は当時、平均視聴率が22.7%を記録。脚本は2025年度前期の朝ドラ「あんぱん」を手がける中園ミホによるものだ。
「連続テレビ小説 花子とアン」(C) NHK
原案 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(新潮文庫刊)
吉高が演じているのは明治、大正、昭和の激動期を生き、子供たちに夢と希望を送り続けた村岡花子。障害を乗り越えて結婚する夫・英治を鈴木亮平が、女学校時代からの親友・蓮子を仲間由紀恵が演じている。山梨の貧しい家に生まれ育ったものの、親の理解を得て東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活を経て児童文学の翻訳家の道へと進み、やがてラジオの語り手としても活躍する花子。対照的にお嬢様育ちで、政略結婚をさせられるものの最終的に駆け落ちし、歌人、恋愛小説家として執筆し続ける蓮子。2人の友情も描かれた本作の大正の終わりから昭和にかけての場面の吉高の演技の見せ場とは?
■変化を柔軟に受け入れていく花子を吉高が親しみやすい魅力で演じる
「連続テレビ小説 花子とアン」(C) NHK
原案 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(新潮文庫刊)
児童文学の翻訳の仕事に忙しい花子のもとに突然、舞い込んできたのがラジオ局で子供たちのためにニュースを読んでほしいという仕事だ。上がり症の花子は断ろうとするが、近所の子供たちにお話を読んで聞かせていたこともあり、夫の英治(鈴木)は「花子さんの声は人をほっとさせる」と背中を押す。最終的に決断させたのは夭折した息子がラジオが大好きだったこと。花子の受け持つコーナー「こどもの新聞」はやがて大人気になり、子供たちから"お話のおばさん"と呼ばれていたのが"ごきげんようのおばさん"として全国に知れ渡ることになる。村岡家には北海道で暮らしていたはずの妹のもも(土屋太鳳)がやつれた姿で突然、訪ねてきて一緒に暮らすことになったり、子供を預かることになったりと予想外のことが次々に起こるのだが、ためらうことなく変化を受け入れる優しさと懐の深さを持つ花子を吉高がチャーミングに演じている。
■長年の親友とぶつかりあう場面は仲間と吉高の緊迫感溢れる演技が冴える
昭和12年に日中戦争が勃発して以降、世の中は次第に戦時色を強めていく。女流作家仲間の宇田川満代(山田真歩)はペン部隊として戦地に出向き、お国のためというムードが充満していく中、蓮子はどんな時代でも人は恋をし、誰かを愛すると反発。反政府的な行動をとろうとしていた蓮子の夫は花子の兄・吉太郎(賀来賢人)ら憲兵隊に連行されてしまう。そんな非常時の中、2人の友情に亀裂が入り、花子の妹・かよ(黒木華)が働くカフェで2人の意見が交わされる場面では吉高と仲間の緊張感あふれる演技に引き込まれる。大きな波が日本に迫ってくる中、逆らったら家族も守れないと主張する花子は蓮子のまっすぐな生き方を案じるが、蓮子は戦争に反対している夫は間違っていないと言い、自分の生き方を変えるつもりはないと断言するのだ。子供たちの将来を思っているのは同じなのにすれ違う2人。激動の時代の渦の中でヒロインはどういう選択をしていくのか。どんな局面でも、温かさを失わない花子役は吉高のハマり役といえるだろう。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
連続テレビ小説 花子とアン #121,122,123
放送日時:1月11日(木)11:00~
放送チャンネル:ファミリー劇場
※(月)~(木)11:00~連日放送
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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