橋本環奈の身体能力の高さ&漫画実写化の達人と呼ばれるキャラづくりを堪能できる映画「バイオレンスアクション」
2023.12.15(金)

2013年、「奇跡の一枚」とインターネット上で拡散されたことがきっかけで、その後の人生が大きく変わったと言っても過言ではない俳優の橋本環奈。そこから気がつけば10年。数々のドラマ、映画で主演を務めるばかりか、2022年、2023年のNHK紅白歌合戦では、2年連続で司会者に抜擢されるなど、まさに国民的人気者としての地位を不動のものにしている。そんな彼女が、ピンクのボブがトレードマークのキュートな専門学校生でありながら、実は殺し屋のアルバイトをしているという奇想天外なキャラクターに挑んだのが、人気漫画を実写映画化した「バイオレンスアクション」だ。
橋本と言えば、誰もが憧れるような愛らしいビジュアルと、トーク番組などで見せるさっぱりとしたキャラクターのギャップが多くの人々を虜にしているが、出演作品も自身の圧倒的な容姿を活かした透明感のあるヒロインから、「銀魂」シリーズ、「今日から俺は!!」シリーズなど、「そこまでやらんでしょ!」と思うようなコミカルなキャラクターを外連味なく演じるなど、レンジが広い。
そんな橋本が本格的なアクションに挑んだのが本作だ。これまでも前述した「銀魂」シリーズや「今日から俺は!!」シリーズなどで立ち回りは行っており、俊敏な動きを観て「アクションもいける」という印象を持った人も多かったかもしれない。

(c)浅井蓮次・沢田 新・小学館/『バイオレンスアクション』製作委員会
しかし本作はタイトル通り"バイオレンス"な"アクション"映画。原作には、かなりの身長差のある大男と対峙する場面もある。橋本がどこまでこなせるのか...と実写化発表のときに不安に感じた人もいただろう。それでも橋本自身はインタビューでも、小さい頃からアクション映画が大好きで、演じる上でも興味があるジャンルと話しているように、やる気満々で作品に臨んでいた。
本格的なワイヤーアクションや、360度全方位で映像撮影が可能なボリュメトリックキャプチャという映像技術にも挑戦し、体の柔軟性や瞬発力など身体的な"強さ"も見せつけた。その意味で、橋本の新たな一面が垣間見られる作品だと言えるだろう。
もう一つ、橋本の俳優としての特徴と言えば、漫画やアニメ作品を実写化した際、キャラクターに説得力を持たせる能力に長けていること。本作で橋本が演じた菊野ケイは、可愛い顔をした殺し屋。ビジュアルを含めて、リアリティを持たせるのは非常に難しいキャラクターだ。
しかし橋本は、非日常の設定を生身の人間として成立させている。そこには彼女の作品への愛が大きな要因となっている。橋本は無類の「漫画好き」で、それは自身でも公言している。出演する漫画の実写化作品も、自分で愛情が持てないものには出ないようにしているという基準を設けているというのだ。
だからこそ妥協がない。原作のファンが失望するような中途半端なことをしたくないと思う一方で、ファンだからこそ「ここまでだったら大丈夫かな」という二次元と三次元の微妙なさじ加減にも細心の注意を払っている。
こうした橋本の思いは「バイオレンスアクション」でも体現されている。殺し屋という非日常をデフォルメした部分と、普通の女の子という生々しいところを絶妙なバランスで演じている。また福田雄一監督とのタッグで、培ったコミカルなテンポや間の演技も、非常に秀逸で、112分という時間がアッという間に過ぎていく痛快さがある。
文=磯部正和
放送情報【スカパー!】
バイオレンスアクション
放送日時:12月31日(日)20:00~
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
-
松田優作の強烈な存在感にノックアウト!山口百恵、宇津井健が親子役を演じた赤いシリーズ第一作「赤い迷路」の魅力
提供元:HOMINIS8/3(日) -
R18+の映画「秘願」に集まる反響...ソン・スンホンの「深化」した魅力が溢れ出た来日ファンミーティング「Song Seung Heon Japan Premier 2025」
提供元:HOMINIS8/4(月) -
黒木華と中村蒼が織りなす繊細で優しい演技が心に響く・・・映画「アイミタガイ」
提供元:HOMINIS7/31(木) -
大沢たかおの成熟した大人の男性の魅力と柴咲コウの繊細な演技が際立つ。映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」
提供元:HOMINIS8/1(金) -
小泉今日子&中井貴一の「続・続・最後から二番目の恋」、出会って13年のアラ還男女が選んだこれからの恋、仕事、人生を描く良作
提供元:HOMINIS7/31(木)