天海祐希が映画「千年の恋 ひかる源氏物語」で、吉永小百合らレジェンド級の俳優陣の中で異彩を放っている理由とは?
2023.12.15(金)
2024年1月7日(日)からスタートする大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00~ほか、NHK放送ほか)でにわかに注目されている紫式部。そんな彼女の波乱万丈な人生と、ソウルメイトともいえる藤原道長との関係、そして「源氏物語」が書かれていくさまなど、これまで紫式部を題材とした作品が数多く作られている中で、外せないのが映画「千年の恋 ひかる源氏物語」(2001年)だ。
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
同作品は、東映創立50周年記念として総製作費14億円をつぎ込まれて制作された超大作で、主演の吉永小百合から始まり、常盤貴子、高島礼子、竹下景子、かたせ梨乃、南野陽子、渡辺謙、森光子といったレジェンド級の俳優たちのほか、松田聖子も出演し劇中で歌唱するほどの豪華絢爛なキャスト陣が壮大な歴史絵巻を紡いでいる。
そんな豪華キャスト陣の中で、ひと際異彩を放っているのが光源氏を演じている天海祐希だろう。吉永演じる紫式部は、渡辺謙演じる藤原道長から娘・彰子(水橋貴己)の教育係として都に来てほしいと頼まれ、教育の傍ら「源氏物語」を彰子に説いていく。その劇中劇として天海演じる光源氏が登場するのだが、宝塚歌劇団退団後6年ぶりとなる男性役を、宝塚時代とはひと味違った表現で演じている。
(C)2001「千年の恋 ひかる源氏物語」製作委員会
女性に囲まれる役柄上、しっかりと男らしさが画面ににじみ出ていないと男女間の恋模様を描くには説得力が欠けてしまうのだが、佇まいや所作など"昔取った杵柄"は健在で、男性よりも男性らしい。一方で、眉目秀麗で恋多き役柄でもあるため、硬派なタイプではなく、どちらかといえば女性らしさに類する、柔和でしなやか、凛とした雰囲気を纏ってスクリーンの中に生きている。"男性よりも男性らしく"それでいて"柔和でしなやか"。言葉にするのは簡単だが、芝居を通して体現するというのは、表現の方向性が違うため言うほど易くはない。逆に言えば、この難しい表現を両立させられる天海だからこそ、他の男性俳優ではなくキャスティングされたのだろう。
この方向性の違う表現を両立させている要素を紐解いてみると、動きやセリフ回し、目線の配し方など高度なテクニックのオンパレードなのだが、中でも特徴的なのは声のトーンだ。女性が男性役を演じる場合、声のトーンは必要以上に低く演じることが多い。観客に男性であることをしっかりと伝えるためにあえてそうするきらいがあるのだが、今作での天海はあえて低くはしていない。過度に低くしてしまうと光源氏の軽やかさが損なわれてしまうからだ。だが、この表現は宝塚時代数々の男性役を演じてきた天海にとっても挑戦だったのではないだろうか。もちろん、舞台と映像という違いはあるだろうが、このチャレンジングな表現を見事に物にし、性差を超えた難易度の高い演技で魅せているからこそ、吉永らそうそうたるメンバーの演技の中においても"異彩を放つ"ことができているのだ。
吉永らレジェンド級の俳優陣の説得力のある演技で平安時代にタイムスリップしながら、歴史絵巻の中に飛び込んだような感覚に陥る劇中劇での天海の"異彩を放つ"演技にも注目してほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
千年の恋 ひかる源氏物語
放送日時:1月8日(月) 21:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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