阿部寛主演のドラマ版で再注目!名優・高倉健が演じた人情味にあふれる物語「遙かなる山の呼び声」
2023.12.8(金)

日本映画史に残る名作として高い評価を受けた1980年の「遙かなる山の呼び声」。近年は2018年と2022年にNHKでドラマ化もされており、今年の9月にはこの2作に未公開シーンを加えたディレクターカットが4週にわたって放送された。
ドラマ版では、映画でメガホンを取った山田洋次監督が北海道・中標津の舞台はそのままに、時代を現代に置き換えて脚本を執筆。主人公・耕作を阿部寛が演じるなど大いに話題を集め、オリジナル版である映画も改めて注目された。

(C)1980松竹株式会社
映画「遙かなる山の呼び声」は、監督・山田洋次×主演・高倉健という「幸せの黄色いハンカチ」(1977)の黄金コンビが再びタッグを組み、警察に追われる男と牧場を切り盛りする母子の出会いと別れを描いたヒューマンドラマだ。
北海道東部の酪農の町・中標津で亡き夫の遺したと土地で一人息子の武志(吉岡秀隆)を育てながら牛飼いをする民子(倍賞千恵子)のもとに、一晩の宿を求めて男が訪れる。田島耕作(高倉健)と名乗るその男は牧場の働き手となり地元の人たちとも打ち解けていくが、ある日、牧場に刑事が現れ...という物語が展開する。

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四季がゆったりと巡る自然豊かな北の大地で暮らす人々を丹念に描きだす人の魅力に満ちた本作。高倉健が演じた主人公の耕作は、ある秘密を抱えており、自分から多くを語らない静かな男。民子に無理に関係を迫ろうとする虻田(ハナ肇)を撃退すれば兄貴と慕われたり、武志にも懐かれたりと、武骨だが自然と人々に愛されるような人物だ。
どこか暗い過去を感じさせるような憂いある表情、一言一言に重みを感じるセリフ回し、確固たる意思を感じさせる眼差し、子どもに向ける優しい笑顔...など、高倉は自身の不器用で朴訥としたイメージを存分に生かした演技で、複雑な胸中を抱える耕作のキャラクター像を表現。短い北国の夏が終わり、照れ臭そうに母子のもとから去った後に見せる涙を溜めた顔など、高倉の魅力が詰まった1作だ。

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そんな耕作を家に泊め、雇うようになる民子は「幸せの黄色いハンカチ」でも共演した倍賞千恵子が演じており、はじめは距離を置きながらも、誠実な人柄に徐々にほだされ、耕作に「行かないで」とすがりつくまでに愛を抱いていく様子を表現している。
さらに武志を当時10歳ほどの吉岡秀隆が演じるほか、新婚旅行で民子の家を訪れてくる従弟には「幸せの黄色いハンカチ」でも存在感を放った武田鉄矢、さらに人工授精師役で友情出演した山田組の常連・渥美清など、豪華なキャストが体現する多彩なキャラクターたちの人間模様も見どころだ。

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時代を超えてリメイクされるなど、40年以上経っても愛され続ける「遙かなる山の呼び声」。不器用なキャラクターを演じ、多くの人々を魅力した高倉健の魅力を本作でも感じることができることだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
遙かなる山の呼び声
放送日時:2024年1月2日(火)19:15~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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