ちょっと迷惑な男になりきった阿部サダヲの演技が自然&秀逸すぎる!宮沢りえ、松下洸平ら共演者にも注目の映画「アイ・アム まきもと」
2023.12.4(月)
1992年、松尾スズキが主催する劇団「大人計画」に参加して俳優の道を歩み始め、以来、第一線で活躍し続けている阿部サダヲ。出演作の監督や共演者に「天才」と言わしめるほどの演技力を持ち、これまでに結婚詐欺師やシリアルキラー、検事役など幅広い役柄を演じてきた。
芸能生活30周年を迎えた昨年は映画「死刑にいたる病」で第46回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞。来年もNHKの特集ドラマ「広重ぶるう」で主人公・歌川広重役での出演が決定しているなど、その活躍はとどまるところを知らない。
(c)2022映画『アイ・アム まきもと』製作委員会
そんな阿部が主演し、多くの観客を感動させた映画が2022年公開の「アイ・アム まきもと」だ。第70回ヴェネチア国際映画祭で複数の賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督による「おみおくりの作法」(2015年公開)を原作としたリメイクで、映画「舞妓Haaaan!!!」などの話題作でも阿部とタッグを組んだ水田伸生が監督を務める。
阿部が演じるのは、市役所に勤務する中年の男性・牧本壮。人の話を聞かず、空気も読まないちょっと迷惑な男で、孤独死した人を埋葬する「おみおくり係」を職務としている。故人の思いを大切にし、葬儀を行うべく遺族を探すがうまくいかないようで、遺骨は仕事場の棚から溢れ、遺体は警察の安置室に預けっぱなし。刑事の神代亨(松下洸平)に「警察は、貸倉庫じゃないんですよ!」と怒鳴られるような状況だ。
(c)2022映画『アイ・アム まきもと』製作委員会
物語は、牧本が職務にあたる姿を映すところから始まる。火葬場に見届けにきた遺族に真顔で真っ直ぐすぎる対応をしたり、安置室での神代とのやり取りでズレた言葉を返したり。思わずクスッとさせられる牧本の行動もそうだが、目をぱっちり開いて口元をキュッと結んだ表情などからも、ちょっと変わった男性であることが伝わってくる。
序盤の牧本を見ていると、心の一部がどこか他の世界にあるような、そんな不思議な印象を受ける。こういった役柄でも難なく演じ、しかもそれが自然なところに、阿部の演技力の凄さがあると言えるだろう。
牧本が住む集合住宅の向かいの部屋で、蕪木という男の遺体が見つかってから、物語は大きく動き出す。市民福祉局局長の命令で、蕪木を最後として「おみおくり係」の廃止が決定。牧本は残されたアルバムや携帯電話などを手がかりに、遺族探しに奔走する。
ある漁村では、元恋人の今江みはる(宮沢りえ)に会う。蕪木本人も知らない遺族がいるとみはるから聞いた時は、2人で葬儀に参列するよう頼む。その時の訴えるような目からは、牧本が故人のために必死になっているのがわかる。
駐車場での局長とのやり取りでは、冷たい言葉を投げつけられた直後は衝撃を受けたような空白を感じるが、徐々に牧本の中で自分の思いが膨らんでいくのがわかるし、最後は目に涙を溜めて局長を引き留めようとする。表情だけでなく、目で心情を語る阿部の表現力に、きっと多くの人が心を動かされることだろう。
本作では宮沢りえや松下洸平ら、共演者にも注目だ。漁師たちが蕪木の話をしている時にみはるが見せる、思い出が胸に刺さっているような辛そうな表情。怒ってばかりの神代が牧本の熱意に打たれ、怒りながらも見せる優しさ。それぞれの演技が物語を彩り、心に残るシーンを作り上げている。
果たして牧本は、最後の仕事となる蕪木の葬儀を執り行うことができるのか。阿部は公式サイトのコメントで「なんとも愛おしいキャラクター。もう少し長く牧本をやっていたかった」と語っている。心から牧本になりきった阿部の演技と、優しさに満ちたこの物語を、ぜひ最後まで楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
アイ・アム まきもと
放送日時:2023年12月24日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2023年12月27日(水)21:10~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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