青山吉能と長谷川育美が「ぼっち・ざ・ろっく!」で得たものとは?「結束バンドのキャストに出会えたことが宝物」
2023.11.19(日)
陰キャでも輝けそうなバンド活動に憧れてギターを始めた後藤ひとりと、彼女がギタリストとして加入した女子高生バンド「結束バンド」の成長を描くTVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。2023年5月21日にZepp Haneda (TOKYO)にて開催された同作のライブイベント「結束バンドLIVE-恒星-」の全曲を収録したBlu-ray&DVDが11月22日(水)に発売される。それに先駆けて、「結束バンドLIVE-恒星-」の劇場上映が11月17日(金)~11月30日(木)の2週間限定で開催されることが決定した。
今回は公開に先駆け、ライブに出演した後藤ひとり役の青山吉能と、喜多郁代役の長谷川育美にライブの感想などを聞いた。
――ライブを振り返っての感想をお聞かせください
青山「自分はギターを弾きながら歌うというミッションがありましたし、さらに、それを当日まで隠し通すというミッションもあって...もう何度、『SNSでバラしてしまおうか』『こんなに頑張ってるのに誰にも気づいてもらえないなんて』みたいなことを思っていた日々もありました。でもやっぱり、2ヶ月間みっちり、ギターと歌と、1曲だけに向き合うってなかなかない機会なので、より『後藤ひとり』と、ひとりが歌う『転がる岩、君に朝が降る』という曲に対する自分の解釈みたいなものが深まった2ヶ月でした。ライブが終わった後は『あ、もう終わっちゃうんだ。この2ヶ月ってこの5分間で終わっちゃうんだ』という寂しさみたいなものはありました」
長谷川「Zepp Haneda (TOKYO)でのライブの1ヶ月前にあった、『ぼっち・ざ・ろっく!です。』というイベントでも2曲披露させていただいたんですけど、ソロ歌唱というのは、このライブの時が初めてだったんです。本格的なライブでソロをやらせていただくっていうのが、この「結束バンドLIVE-恒星-」が初めてで...他のアニメのイベントだったら、『メインキャストみんなで頑張ろう』みたいな構成が多いじゃないですか。ここまで自分にライブの成功がかかっていることがなかなか無く...」
青山「今後もそんなにないと思う(笑)」
長谷川「私が頑張らないと全体が崩れてしまうというプレッシャーは、やっぱりあったので、『ぼっち・ざ・ろっく!です。』から『結束バンドLIVE-恒星-』までの1ヶ月間は、自分の中でも『すごく頑張った』と言える期間でした。このライブのお話をいただいた時も、経験がないのでマネージャーさんは『すごい歌うみたいだけど、やれる?大丈夫?』と心配してくださったんです。でも元々『結束バンド』としてのライブをやりたい気持ちはあったので、私はもう即答で『やりたい!絶対やりたいです』って言ったぐらい、本当に自分の中ではめちゃくちゃやりたいことでした。本番までの期間も大変さはあったけどすごく楽しかったし、本番に関してはもう最初から最後まで全部楽しかったので、本当に最高の思い出ができたなっていう感じです!」
――アニメファンのみならず、音楽、楽器業界をも巻き込んだムーブメントを起こす作品になる!と思っていましたか?
青山「その気合いはありました。そうしたい、なったらいいな!って思ってました」
長谷川「『どの作品にも負けないぞ!』みたいな会もしたもんね。アフレコ後にご飯をみんなで食べて」
青山「2022年10月クールは本当に大激戦だったので」
長谷川「『いや、でも負けないよね』『絶対うちら負けないよね』みたいな(笑)」
青山「でも、まさか音楽業界でここまで跳ねるっていうのは本当に思ってなくて」
長谷川「『そう思ってなかった』というよりは、『考えがそこまで及んでいない』というか」
青山「楽器業界の経済をこんなに回すとは(笑)。『どこでも買えないんです。レスポールカスタム』などと言われて。『ああ、あ、ひゃぁ...。本当にそうなんだ』っていう。なんだか嬉しかったです。嬉しいというか、不思議な感じというか...」
――「やってやるぞ!」という気合いはキャストの皆さんで常に共有していたんですか?
青山「結束バンド、ビルボード1位とかオリコン上半期1位とかさ、ヤバくない?」
長谷川「ヤバいよ」
青山「レコーディングで歌っている時、そんな...」
長谷川「そんなこと考えていない(笑)。もう本当に『私のできる精一杯を注ぎ込むんだ!』と思って、楽曲と向き合っていただけだったので、まさかこんな広がりを見せてくれるとは思ってなくて。でもやっぱりレコーディングなど楽曲を作っている中でも、スタッフさんの熱量や芯の強さを感じていたので、やっぱり、それに私も応えたい!という思いで歌っていました。『みんなでこんなに愛を持ってやったなら、もうファンの方に想いが届いてくれなきゃ、ちょっと無理だ!』『絶対届いてくれよ!』ぐらいの気持ちではいたので、こうやって目に見える形で反響をいただけるというのは本当に嬉しいです」
――「ぼっち・ざ・ろっく」という作品に関わったことで得たものはありますか?
青山「得たものだらけ...」
長谷川「得たものしかなさすぎるなあ。『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメのアフレコ現場は本当に濃密な時間だったんです。スタッフさんと何度も何度もディスカッションしながらの空間で得られた経験は大きかったと思います」
青山「結束バンドのキャストに出会えたことが宝物だなあと思っていて。私、友達が本当に一般的に少ないと思うので。全然気にしてはなかったんですけど、みんなと出会って、こんな気軽に『ご飯とか行く?』って何の気なしに言えたり。『こういうのって家族以外でも、お姉ちゃん以外でもしていいんだ!』っていうのがすごく嬉しい。みんなが今後爆売れしていったとしても、ぬるっと集まって、さらっと解散するみたいなことが、これからもちょこちょこできたら嬉しいなって思います」
――今回、「結束バンドLIVE-恒星-」が期間限定で劇場上映され、舞台挨拶も行うと決まった時の率直な感想は?
長谷川「関係者試写会のスケジュールが入っていて、『これは何だ?ライブって書いてある』『え、ライブを劇場で!?』と思いました」
青山「結構ぬるっと聞いた気がする」
長谷川「そうなんです。でも率直に嬉しかったです。『えっ、私も劇場で観たい!』って思いました」
青山「Blu-rayとDVDがリリースされるのは嬉しいですけど、『自分の家の音響じゃ、あの感動はもう一度味わえないかもしれない』と思っていたので、もう最高で最強の環境でライブをまた観ることができるっていうのは、すごい嬉しいです」
長谷川「ライブ会場に足を運ぶことができなかった方には、絶対に見てほしいです!」
撮影=皆藤健治 取材・文=中村実香
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